2022/8/2

【実録】ライドシェアのCREWが、生まれ変わっていた

NewsPicks 編集長
今から2年半前。スタートアップ界隈のtwitterで、ある企業が話題になった。
ライドシェアアプリのCREWを展開していたAzitだ。一般のドライバーと乗客をマッチングするサービスで、日本版ライドシェアとして期待されてきた。
しかし、資金繰りが悪化し、2019年末に整理解雇を実施することに。元従業員による「Azitを退職した」というtweetが急増し、注目企業だったこともあって話題になった。
その後、世界がコロナ禍に突入して人の移動が急減したこともあり、2020年12月にはCREWのサービスを停止している。
Azitはその後、どうなったのか。
INDEX
  • あの「退職ラッシュ」の真相
  • 国交省を悩ませた「謝礼モデル」
  • 「人」から「モノ」の移動へ
  • 「個社ごと」に配送を最適化
  • うまくいけば「急成長も」

あの「退職ラッシュ」の真相

「12月でAzitを退職することになりました」
2019年12月5日、複数のAzit社員がtwitterに同様の投稿を行い、スタートアップ界隈の話題をさらった。
スタートアップで働く人たちが、退職や転職についてtwitter上で報告することは珍しいことではない。
ただ、その日は一斉にAzitの従業員が退職についてのtweetをしたため、「キャッシュアウト間近なのでは」との観測が広まった。
当時、何が起こっていたのか。
Azitの吉兼周優(よしかね・ひろまさ)CEO。1993年生まれ。慶應義塾大学理工学部に通っていた学生時代にAzitを起業した。