【本家】両利きの祖師が、日本に「どうしても伝えたいこと」
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“Culture eats strategy for breakfast”...カルチャーは戦略に勝る
ご存知の方も多いでしょうが、かの有名なピーター・ドラッカーの名言です。
戦略に増して重要なのが、カルチャーだと。
(今回登場するオライリー教授も、このフレーズを使うそうです)
今回、両利きの経営の提唱者の一人であるオライリー教授へのインタビューとあって、「カルチャー」に取材リソースをガツンと割きました。
あ!こういう時は、きちんと説明すべきですが、両利きの経営について知るようになった2020年に、今回俎上に載る「知の探索」について2本ほど記事配信したことを正直に申し上げます。
その後、独学で両利きの経営を追い続け、2021年10月には深化と探索のどちらも重要だと認識し、「ダブルスタンダードを愛するのが両利きの経営だ」と結論付けた記事を配信しました。ただし、組織論としての両利きの経営というよりは、大好きなファイナンスの側面から注目したために、オリジナリティが過ぎたきらいがありますが汗
私自身は、これからは両利き経営を実現に資するファイナンス論を極める旅に出たいと思っています。よく学生や幹部研修の方に「あなたの知人で両利きのの人何人いますか?」と聞くのですがまずいません。ただ、やり方は色々あって、あまり教科書的なスタイル、正解を求める必要はない(というかそうすると大体失敗する)と個人的には考えています。
マッキンゼーの7Sと言われるフレームワークでは価値観(Shared value)、文化(Style)から戦略や組織など7つの要素が一貫している会社が強いと言われます。しかし、一貫性が高いほど環境変化に対して対応が遅れる、例えば戦略を変えても価値観や文化は同じであれば戻ってしまうし、その逆もあり。そうしたことを考えれば、ここでは触れられていませんが、M&Aは1つのオプションでしょう。ここでいう「カルチャー」とは、コンピテンシー(行動特性)に近いのかなと思います。コンピテンシーとは、元々ハーバード大学のマクレランド教授という方が研究した結果「高い業績を上げる人は、学歴や知能とさほど相関性はなく、代わりにいくつか共通の行動特性がある」と発表し有名になった言葉です。特に、アメリカ企業で取り入れているケースがあり、コンピテンシーをしっかりと浸透させている企業は、逆境にも強いです。
以前勤めていた米系企業で、役職別にコンピテンシー(求められる行動特性)を8-9個のバリューごとにクリアに定義されており、とてもわかりやすく効果的でした。例えば、「コミュニケーション」といっても、マネージャー以下に求められる良いコミュニケーションの行動と、課長や部長に求められる行動は違います。それを細分化してクリアに定義されていることで、自分自身の行動の調整もできるし、部下の評価もブレずに適切に評価できます。
コンピテンシーやカルチャーがしっかり浸透している企業は、逆境にも強い組織に育ちますね。目に見えないからこそ大切な要素です。