ロシア中銀が予想以上の大幅利下げ、ウクライナ侵攻前水準下回る
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為替が上がり過ぎたことは、当局にとっても想定外だったのではないでしょうか。利下げは、主にはルーブル安誘導を目的にしているのではないかと考えます。需要を刺激するとなると、そんなにモノがあるのか?と疑念を持ちます。
つまりポイントは、ロシアのモノ不足の深度にあります。ロシアは今、貿易統計を公表していません。輸入の約四割をしめたEUからの輸入は、EUからロシアへの輸入数量を確認すると、6割減です。特に機械類の輸出減が顕著で、消費財のみならず、ロシアで生産するための生産財の輸出が減少していると考えられます。
新興国からローテク財は輸入ができても、一部ミドルからハイエンドの製品の生産は難しいはずです。国産品だけで新車を造るという話も出てきています。モノの生産をある程度リカバー出来ても、品質は低下せざるを得ないでしょう。
なおロシアは、この30年の工業化で、民族資本系企業も、ある程度は民生品の生産水準を上げてきました。反面でそうした企業は、特にヨーロッパを中心とするグローバルなサプライチェーンに組み込まれていたわけで、新興国との間にサプライチェーンを築くまでには、かなりの時間を要するはずです。
資源もソ連時代の遺産を利用しながら、メジャーの技術や資金で生産を続けて来ました。今は貯金を取り崩している状況です。
データなどはこちらを参照ください。
https://www.murc.jp/report/economy/analysis/research/report_220712/ロシアの主要輸出品であるエネルギーや穀物などが輸出されていることが、経済の落ち込みが予想より軽いことの理由でしょうね。
G7プラスの国はそれらを買わなくても、それ以外の国は違いますからね。
しかし問題は、西側からの輸入品の減少でしょう。
例えば、スマホでもアップルやサムソンの数字は減り、チャイナ製が増加してます。
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-smartphone-idJPKBN2NQ1MR
まるで冷戦当時に戻りだしてますね。
多くに人が知らないでしょうが、自動車などはソ連国産のものしかなかったのです。
それも見た目も悪く性能も落ちるものでした。
https://car-l.co.jp/2016/10/20/2747/
しかし、今回は、西側製品が止まれば、チャイナ製品のラッシュなんでしょう。
そうなると、チャイナとロシアの国家バランスが変わりますね。ルーブル下落に歯止めがかけられた現状では、景気後退に対処するために政策金利を下げるというのは理にかなっています
ただ、トレードオフとしてルーブル下落の可能性も上がりますのでその兼ね合いでバランスをとりたいところでしょう
しかしながら中央銀行がやれることも限られます、財政が戦費の増大で悪化してくれば国債発行が制限されるなかで厳しい局面も予想されます