2022/7/21

【実録】創業者退任から2年半。「FiNC」で起きたこと

NewsPicks / Brand Design editor
タレントを使用した華やかなプロモーションなどで、数あるヘルステックベンチャーの中でも、トップクラスの知名度を誇ってきたFiNC。
しかし、今から2年半前、その会社は苦境に立たされていた。
主力プロダクトである健康管理アプリの採算が合わず、日々、赤字幅が広がっていく。最終赤字は最大で年間約40億円にまで拡大し、そのままでは企業としての存続も危ぶまれていた。
2019年末には、事業を牽引してきた創業者の溝口勇児氏がCEOを辞任し、CTOの南野充則氏がトップに就任。ここから、コスト削減が始まる。
有楽町に構えていた1000坪のオフィスから立ち去り、10坪のシェアオフィスに移転。最大245名いた社員は、75名にまで減った。
それまでの華やかなイメージとはほど遠い、実に泥くさい出直しとなった。
気の合う仲間たちと、愚直に成長を追い求める。うまくいけば、ストックオプションなどで金銭的なリターンが得られることもある。
スタートアップへの転職を考える時、多くの人はどうしてもポジティブな未来を想像しがちだ。もちろんそうしたイメージは間違いではないし、転職に満足している人が大半だろう。
しかし、スタートアップはビジネスが安定していない分、資金調達環境が逆回転すると、厳しい局面に置かれてしまう。
本日は、スタートアップで逆回転が起きた時の実例を紹介したい。
当時のFiNCに何が起きていたのか。そして、ハードランディングを経ていかに立ち直ったのか。
南野CEOと小泉泰郎CFOへの生々しいインタビューをお届けする。