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「これはフェイクニュースではないか」と疑いを持つかどうかは、その人がもともと持っている情報量によるところが多いと思っています。
例えば、2016年米大統領選で問題になり、政治とフェイクニュースの関係を語るときによく引用される「ローマ教皇がトランプ支持を表明した」という偽情報があります。過去の大統領選や、カトリック教会について少しでも情報を持っていれば、「教皇が大統領選でだれかを支持したことがあったっけ?この情報はどこかおかしい」と気づくわけです。
「ジャーナリストの勘」は、こうした情報のインプット量と、情報を疑いを持って調べる(クリティカルに見る)という職業訓練の結果つくられるものです。
ただ、伝統的な記者の多くは(私も含めて)、デジタルの領域でのインプット量が圧倒的に足りません。データジャーナリズムへの本格的な取り組みは緒に就いたばかりです。
フェイクニュースは情報環境の汚染です。地球環境における「人新世」と同様に、人類が全く新しい危機を引き起こし人類自身を襲っています。これを克服するには、地球環境と同様に、大きな枠組みが必要です。EUのように公的資金を投入したサポート、GAFAなどプラットフォームによる資金還元が求められます。また、メディアもオシント重視に組織を転換する覚悟を持つことです。

記事の中から、うれしい文言を抜き書きします。

「フランスのAFPが発表した2020年の業績報告書では、ファクトチェックは映像コンテンツの充実とともに、業績を伸長させる柱だと位置づけられている」

「おかしな言い方ですが、ニセ情報が多く出回ることで、既存の報道メディアが立ち位置を取り戻しているような気がします」

かくありたいです。
画像ではなくても明らかに嘘とわかるプロパガンダを大量に垂れ流していると100人に1人くらい引っかかるのがいて、そこから拡散していくのを私たちはロシア・ウクライナ戦争で実体験しています。駐日ロシア大使館やスプートニクのツイートがそれです。まぁ国のトップや閣僚などが率先してやっているのですから、国家ぐるみのフェイク情報なのに日本では国会議員まで拡散に加担しているのが現実です。
記事で紹介されているコンテンツ認証は報道写真・映像のフェイク対策としては重要なイニシアチブですが、一般に出回っている画像の加工対策としてはどうなんでしょうか。今は画像の真偽を見極める対策として一般的な手法はいわゆる「リバース・イメージ」(画像検索)です。グーグルだけでなく、BingやYandexなどのサービスを組み合わせて使うと「いつ・だれが・どこで」撮影したものかを絞り込むことができます。遠くないうちに画像が加工されたものかどうかを自動検知するようなツールが登場するでしょうが、それでもいたちごっこは続くでしょう。
世界のメディアがファクトチェックを進める中、日本が立ち遅れているのが気になります。世界基準づくりには参画していくほうが良いのでは?
フェクトチェックが業績を伸ばす柱としていちづけられているというフランスAFPのアジア太平洋地域の編集責任者メディ・ルボアシェラ氏へのインタビューより。具体的なファクトチェックの手法もあって面白かった
「フランスのAFPが発表した2020年の業績報告書では、ファクトチェックは映像コンテンツの充実とともに、業績を伸長させる柱だと位置づけられている。同社がその専門チームを立ち上げたのは2017年のことだから、わずか3~4年で急速に成長したことになる」
デジタルと「勘」の融合…これが鍵だと思います。デジタル依存には限界があります。

※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません