サル痘感染者に天然痘の薬 投与可能な研究開始
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テコビリマットは、サル痘のウイルスが分類されるオルソポックスウイルスを形作るのに重要で、かつ体内で広がっていくのにもカギとなるタンパク質を阻害して働く治療薬です。
動物実験レベルでは、サル痘ウイルスにも有効性が確認されており、人でもその有効性が期待されています。
米国では、すでに今回の感染流行でも投与が開始されており、データがまさに今蓄積されつつあるところです。安全性については、360名の健常人に対して投与を行った研究で、重篤な問題が起こらずプラセボと同等の副反応しか見られなかったことが報告されています。
テコビリマットのように、人での有効性確認が十分行われていない薬剤では、臨床試験でのデータの蓄積のプロセスが極めて重要になります。まだ国内での発生の報告はありませんが、その可能性は十分考えておかなければなりませんし、準備をしておくことは大切なことです。
注目のコメント
米国と欧州ではテコビリマット(tecovirimat)と呼ばれる抗ウイルス薬がサル痘治療薬として認可を受けています。 もともとは天然痘感染症の治療のために開発されたものを系統の近いサル痘ウイルス感染症に適用拡大しています。
両ウイルスはオルソポックスウイルス属に属しており、テコビリマットはオルトポックスウイルス属のp37タンパク質を標的にして放出を阻害する作用を有する抗ウイルス剤です。
日本の法律に基づき、日本での使用を可能にするために簡易な承認プロセスを経て、早急に薬事承認されると思います。
感染拡大の傾向、サル痘と天然痘の違い等については、以下の記事へのコメントに記載しています。
「台湾で初のサル痘感染例、ドイツ留学帰りの男性」(Reuters 2022年6月24日)
https://newspicks.com/news/7232978?ref=user_1310166