2022/7/1

【ご報告】NewsPicks編集長に、就任しました

NewsPicks 編集長

編集長就任のご挨拶

こんにちは。NewsPicks編集部の泉秀一です。いつもNewsPicksを応援いただき、ありがとうございます。
今日は、皆さまに一つご報告があります。本日7月1日付けで、NewsPicksの編集長に就任しました。
大きな仕事を前に身が引き締まる思いですが、いつも応援いただいている皆さま、尊敬する仲間たちとNewsPicksを育てていけることに、喜びを感じています。
この場をお借りして、私が入社してからこれまで考えてきたことを、少しだけお伝えさせてください。
私がNewsPicksに入社したのは、いまから5年前の2017年のことです。
停滞した世の中に新しい風を吹かせたい、既存の常識にとらわれないコンテンツ作りがしたいと、一員に加わりました。
当時のNewsPicksは、急成長する新興メディアとして注目を集めていたものの、まだ既存メディアに対するカウンターのような存在でした。
メディアビジネスは儲からないと言われる中、入社してから数年は、とにかく生き残ることに必死でした。
5万人、10万人、15万人…。日々、読者の方が増えていくことがとにかく嬉しくて、無我夢中でコンテンツ制作を続けてきました。
おかげさまで成長を果たし、今やありがたいことに18万人の有料読者の方に支えられています。
単純に数字で比較すれば、日本で三本の指に入る経済メディアに成長することができました。
しかし、私個人を振り返ると、規模と影響力の拡大を喜んでいるうちに、少しずつ「何のために」という目的が、失われてしまっていたように思います。
目の前のコンテンツ制作に没頭するあまり、「NewsPicksで働く目的」を仲間たちと議論する機会が、減っていきました。
心の底から情熱が湧き上がってくるのは、世の中に貢献できているという実感を得られる時です。
NewsPicksはどのような形で世の中に貢献するのか。
いま私たちは、青臭い議論から逃げずに、改めて存在意義を問い直すタイミングに差し掛かっているのかもしれません。

30年で失われたのは、希望

1990年生まれの私は、今年で32歳になりました。「失われた30年」という言葉に照らせば、人生の大半が「失われた」期間だったことになります。
北九州の中小企業で働く父親と、パートタイムの母親の中流家庭に生まれ、至って一般的な環境で育ちました。
裕福ではありませんが生活に不自由した記憶はなく、快適な暮らしを享受してきました。戦後や高度経済成長期の方が、物質的にはよっぽど満たされていなかったはずです。
では、この30年に「失われた」ものは何か。
私は「希望」ではないかと思います。
これから先、社会が良くなるという兆し。あるいは、自分の手で世の中を変えていけるという見通し。
「失われた30年」の本質は、経済の低迷だけではなく、多くの日本人がそうした明るい未来を描けないことにあるように感じます。
思い返せば、私が人生で記憶している大きなニュースは、どれも暗いものばかりです。
生まれた直後にバブルが崩壊し、リストラや温暖化というキーワードを耳にするようになったのは小学生の頃です。
中学に上がると、小泉政権の規制緩和で非正規雇用が増え、高校時代には格差社会や勝ち組・負け組という言葉が流行しました。
リーマンショックが起きたのは大学生の頃で、派遣切りが社会問題化しました。
記者として働き始めてからも、扱うニュースの多くは大企業の凋落を浮き彫りにするものばかりでした。
ここで、「私たちは不幸な世代だ」と言いたいわけではありません。
ただ、暗いニュースを浴びていれば、思考が自然とネガティブになってしまい、明るい未来を描きにくくなるのは、当然だろうとも思います。
そしてこれからも、ネガティブな情報ばかりが溢れてしまうと、世の中から希望がもっと失われていくでしょう。
「失われた30年」が、40年、50年となり、私たちの子どもの世代にまで続いてしまうかもしれません。
私は責任ある現役世代として、そうした現実に抵抗したいと思っています。
メディアは良くも悪くも、世の中の空気を変えてしまう力を持っています。
であれば、私たちはメディアの力を、世の中を明るくすることに使いたい。コンテンツによって、日本に希望を灯したい。
それが、私が考えるNewsPicksの存在意義です。

きっと未来は、明るくなる

この「希望を灯そう」というコンセプトは、私のオリジナルではありません。
NewsPicksで最初に掲げたのは、出版部門であるNewsPicksパブリッシングの創刊メンバーたちです。
2019年の創刊時、NewsPicksパブリッシング編集長の井上慎平を中心に宣言文として公開し、以来、その信念に忠実な書籍づくりを続けています。
常にブレずに書籍をつくり続けるパブリッシングチームの姿勢、宣言に共感し、希望を灯すために執筆されてきた著者の方々を、心から尊敬します。
そして、そうした熱量に触れるうちに、彼ら彼女らが灯そうとしている希望を、より多くの表現方法で伝播させたいと思うようになりました。
希望を灯すためのコンテンツは、暗い気持ちを忘れられるような、単純にポジティブな情報を意味しません。
未来を明るくするためには、厳しい現実と向き合い、それを乗り越えるための知識と行動が欠かせないからです。
  • ①正しい現状認識
  • ②課題解決のための知識
  • ③行動変化につながる提案(ソリューションの提示)
がなければ、本当の意味で希望を灯すことはできないでしょう。
国内外の重要イシューを理解し、先人や世界の頭脳に学び、非難ではなく提案をしていく。そうした情報を、皆さまが最も受け取りやすい形にアレンジして、お届けする。
希望を灯すための本質を追求することで、チャレンジする個人や組織を応援するのがNewsPicksの姿勢です。
編集部も私自身も未熟ではありますが、青臭さを失わず、少しだけ背伸びをしながら、世の中に貢献していきたいと思っています。
これからもNewsPicksを応援していただけますと幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。