[ロンドン 16日 ロイター] - ロシアから欧州に天然ガスを送る主要パイプライン「ノルドストリーム1」の供給量は16日、さらに減少した。ロシア側は修繕作業の遅れが原因だと説明しており、作業がさらに遅れれば全ての供給が完全に停まる可能性もあるとしている。

ロシア国営ガスプロムは15日、バルト海経由でドイツに天然ガスを送るノルドストリーム1の供給量をさらに削減すると発表した。ここ数日で2回目の削減となり、供給量は従来計画と比べ60%減となった。

ロシアのペスコフ大統領報道官は16日、ロシア産ガスの欧州への供給が最近減っていることについて、事前に計画したものではなく、制裁によりタービンのメンテナンスに問題が生じていることが原因だと述べた。 

ドイツは、ロシアの削減理由は「根拠がない」とし、価格をつり上げるための策略だと批判。イタリアもロシアがこの問題を政治的に利用していると指摘した。

欧州のガス価格の指標となるオランダの卸売価格は16日午後に約30%上昇した。

ロシアの駐欧州連合(EU)大使は国営通信社RIARIAノーボスチに対し、カナダでのタービン修理の問題でノルドストリーム1経由の供給が完全に停止する可能性があると述べた。

ガスプロムのミラー最高経営責任者(CEO)は、欧米諸国の制裁により、パイプラインのポルトバヤ圧縮機ステーション用機器をカナダから戻すことが不可能になったと述べた。