【現場ルポ】福島第1原発、廃炉のゆくえ
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5月半ばに、廃炉に向けた作業が進む福島第1原発の現状や帰還困難区域の様子、周辺地域に住む人々の思いを取材してきました。取材チームの中居記者によるルポです。
廃炉に向けた作業の進捗については昨年も取材しましたが、大きな進展は見られませんでした。喫緊の課題とされる構内の汚染水は今も日々、発生しています。
地元の方々の声を聞き、汚染処理水の海洋放出を巡っては、その是非だけではなく、国や東電の決定のプロセスにも問題があったと感じました。
もう一つの焦点である燃料デブリは、人も近づけない強い放射能をもつ上に、溶融した各号機ごとに形状や性質が異なります。
(詳しくは昨年の記事https://newspicks.com/book/2816/article/5774305?ref=book_2816 で解説しています)
事故から11年経ち、1グラムを試験的に取り出す計画が進んでいますが、デブリの全量は少なくとも880トン。作業従事者の被曝リスクもあります。今後、全量取り出しが可能なのか、あるいはベストの方策なのかを、再検討せざるを得ない状況があるかもしれません。
構内や帰還困難区域の様子が盛り込まれた動画の方も、ぜひ併せてご覧ください。
https://newspicks.com/news/7151554/body/?ref=user_3618331福島第1原子力発電所の事故から11年。メルトダウン(炉心溶融)によって溶け落ちた燃料デブリの試験的な取り出しが、年内にも2号機で行われる予定です。
また、来年春ごろには、汚染水からトリチウム(三重水素)以外の放射性物質を取り除いた「処理水」の海洋放出が始まろうとしています。
私たち取材班は、福島県大熊町と双葉町にまたがる福島第1原発の構内に入り、2つの節目を迎える廃炉の現状を探りました。
国と東京電力は「30〜40年後の廃止措置終了」を目指していますが、880トンもの燃料デブリをどうやって取り出し、どこに処分するのかなどは全くと言っていいほど決まっていません。
終わりの見えない事故の収束。
現実に起こりうるリスクとして、福島抜きに原発の経済を語ることはできません。報道もめっきり減り、ただまだまだ廃炉作業進行中で、苦しむ現地の方々がおられることは、改めて知る機会は必要だなと思いました。
海水汲み上げて放出するプロセスも、ポンプなど回転機器があると都度メンテナンスも必要でしょうし、延々と動かし続けなければならないという気の張る作業は並大抵なものではないでしょう。
地元住民の方々の思いも届きにくい?印象もあり、非常に難しい状況は続きますね。。