2022/6/7

【現場ルポ】福島第1原発、廃炉のゆくえ

NewsPicks 記者
四角い屋根を支えていたはずの鉄骨が、茶色くさびてむき出しになっていた。鉄骨の内側には、積み重なったままの装置のがれきが見える。
福島県の大熊町と双葉町にまたがる東京電力福島第1原子力発電所。11年前、最初に水素爆発を起こした1号機の前に立つと、そこだけ時間が止まっているかのようだ。
原子炉建屋から100メートル西側にある高台の空間線量率は、毎時100マイクロシーベルト。東京の数値の約3000倍だ。
時折、案内してくれた社員が持つ線量計の警報音が「キューン」とけたたましい音をたてた。
高台からは、1〜4号機全ての建屋を見渡せる。
廃炉の進み具合によってそれぞれ外観は異なるが、1つの現実を突きつけられる。
「事故はまだ終わっていない」
今回、私たちは、福島第1原発の構内だけでなく、事故後も漁業を続けようと奮闘する漁師や、小売業の仲間を守るために集団訴訟に奔走したスーパーの経営者など、事故で被害を受けた地元の人々にも取材することができた。
福島の「今」はどうなっているのか、そのリアルをお届けする。
ぜひ下の動画と合わせてご覧ください。
INDEX
  • わずか1グラム
  • 回収計画は白紙
  • 溜まり続ける処理水
  • 地元の理解進まず
  • 凍土壁の限界
  • 損害賠償の現在
  • 福島の未来