半導体産業のジレンマ、半導体不足で半導体製造装置がつくれない
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ヘッドラインはその通りですが、中身がどの製造装置が売れているとか、少し違和感を覚えました。それよりも半導体チップ不足で製造装置が作れないことにSEMI(半導体製造装置と材料の国際工業会)代表のAjit Manocha氏とMicron TechnologyのCEOであるSanjay Mehrotraが共著で声明を出し、日本のSEMIジャパンが記事として載せました。
https://www.semi.org/jp/business-markets/author/ajit-manocha-and-sanjay-malhotra
製造装置の生産が遅れれば、半導体製造も遅れ、新工場を設立しても製造装置を設置できないのであれば、半導体不足はまだまだ続くことになります。これまでなら22年後半、つまり今頃には不足は解消されていたはずですが、まだ足りません。半導体不足は23年以降になります。そして23年から24年には半導体の生産量が上がり不足が解消され、むしろ余るため半導体不況が来るというシナリオを描く人もいます。
どのタイミングが確かなのか、誰もわかりませんが、半導体を使うシステムがITから組み込み系へと広がり、さらにインフラ系、農業、鉱業、運輸、鉄鋼所などありとあらゆるところに広がっており、しかもDXだのGXだのとなればますます半導体が使われます。半導体の広がりはむしろこれからです。ムーアの法則を、最初の定義通りに1個のICに集積されるトランジスタは2年で2倍に増える、と捉えるとまだまだ止まりません。微細化は物理限界ですでに止まっていますが。最先端のプロセスだとEUVを使ってもマルチパターニング(リソグラフィとエッチングの繰り返し)が求められるので、やっぱりエッチング装置の需要って高いんですかね。
今後裏面側から電極を取るBuried Power Railが実用化されてくるとさらに増えていくように思います。「EUVの価格は180億円とべらぼうに高額であるが、昨年の出荷台数は42台にとどまった。一方、ドライエッチング装置の出荷台数は、これより2桁多いと思う。」
この一文に集約されています。
スマホの年間生産台数が13億、自動車がおよそ1億台。数千台に過ぎないドライエッチング装置に使う半導体が足りないというより、生産計画が後回しにされているだけでしょう。言い換えれば値上げ交渉が難航していることになります。