AIで心疾患を見つけ出せ! 医師が見た、“AI医療”の現在地とは
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医療という専門的な領域で、かつ、現場でどうデータ/AIを役立てているかの示唆があり、面白い記事です。大事なのは「医師のスキルとハート」というのも印象的でした。スタンフォードで7年半研究されていたというのも、こういった現場感を持ちながら、新しい技術を課題解決に役立てる姿勢につながっているのでしょうか。
”重要なのは、特別な機器をそろえることではなく、画像から得た情報を基に素早く正確に診断する医師のスキルとそれを患者に伝えるための“ハート”です”AI画像解析システムは、中国では早くから研究が進められており、一気に社会実装が進んだのが新型コロナ禍でした。
新型コロナは当初、「原因不明の肺炎」として発表されてました。崩壊した医療現場では、そもそも医療スタッフが不足していたことに加え、患者の病気が新型コロナか否かを的確に判断できる医師も限られていました。当然PCR検査もありません。
この状況を救ったのがAI画像解析システムでした。
システム自体はシンプルです。AIがコンピューター断層撮影(CT)画像を読み取り、新型コロナウイルス肺炎特有の症状が疑われる場所を警告。医師は警告された患部について、3D画像による立体的な形状や患部の大きさといった情報を基に、新型コロナ感染症か否かを診断する、というものです。
AI画像解析システムの導入によって得られた最大のメリットは、診断スピードが大きく向上し、医療現場の負担軽減につながったことです。
新型コロナ患者1人のCT画像は300枚ほどあり、医者が肉眼で判断すると5~15分ほどかかる一方で、アリババの最先端技術研究機関である「達摩院(DAMO)」が開発したシステムを用いれば、20秒で精度96%の検査結果が得られるという報道が2020年当時出ていました。
判断時間が短縮し、診察に来た来訪者の滞在時間が短くなれば、院内感染のリスクも引き下げることができ、感染の疑いがある患者を迅速に隔離することも可能となります。
このシステムは日本にも導入されたようです。
アリババと日本の医療情報サービス会社エムスリーは、「達摩院」のAIアルゴリズムを活用した肺炎画像解析システムを開発。2020年6月に厚生労働省から製造販売承認を取得し、日本全国100施設の医療機関を対象に4ヶ月間の無償支援を行いました。
今後は更に精度が上がり、様々な疾患に対応できるようになっていくのでしょうね。医療分野でのAI活用の話。映画やドラマではよく見ますが、リアルな世界でも画像診断や問診チャットなど進んでいることに驚きました。
人の生死に関わるので、AIに任せるのは心配な気もしますが、AIが裏方で医師を支援し、最終的な判断や結果を患者に伝えるのが医師であれば、心強いと思います。
実際に働く医師の労働量だけでなく、待合室での待機時間や診断の精度など、患者側にもメリットがあるのは嬉しいです。これからの進化に注目したいです。