2022/5/18

【歴史に学ぶ】今、私たちは「株式の死」を覚悟すべきだ

NewsPicks NY支局長
今のマーケットは、50年前に酷似している──。
こう話すのは、米金融の中心ニューヨークで、20年以上もファンドマネージャーを務めてきた重信英毅だ。JPモルガンに加え、資産運用額100兆円を超えるTIAAと、まさに金融の最前線で巨額の運用を担ってきた人物である。
実は、重信氏は、インフレを危険視する声が少なかった昨夏の時点で、その高騰がもたらす株式相場への影響についても警鐘を鳴らしていた数少ない人物だった。
そして今、彼は、目下のインフレと弱気相場が「株式の死」と呼ばれた1970年代前半とますます似始めていると指摘する。
このインフレは、今後何年も相場を苦しませる転機になるかもしれない──。
NewsPicksでは、そう指摘する重信氏に取材をし、インフレとテック株の見通し、そして我々が歴史から学べる「教訓」について語ってもらった。
INDEX
  • ①「1973年の暴落」に酷似している
  • ②歴史に学ぶ、金利10%の現実味
  • ③生き残るテック株は?
  • ④今投資すべき、3つの資産
  • ⑤今、日本は「超買い場」に

①「1973年の暴落」に酷似している

──重信さんは今のテック株の暴落のきっかけであるインフレについて、昨夏の時点で警鐘を鳴らしていましたね。
前回お話しした昨夏から危惧していましたが、実際のところ、その懸念を上回るインフレ率となってしまいました。
特に、このインフレには、英語でいうかなり「Stickyさ(しつこさ)」がありそうだと感じています。今後も、そんなに簡単に落ちてこないはずです。