【開拓】新規事業開発×コミュニティで成立性の高いビジネスを生み出す

2022/6/1
ビジネスウェア3.0を定義する」というミッションを掲げ、さまざまな取り組みを行っている共創コミュニティ「シン・シゴト服ラボ」。NewsPicksユーザーの中から、活動内容への関心が高いメンバーが集まって誕生しました。
コミュニティメンバーは、洋服の青山などビジネスウェア専門店を運営する青山商事と一緒に、働き方が激変する時代の中での新しいビジネスウェアのあり方について議論を交わし、商品やサービスを一緒に開発(共創)することを目指しています。
今回は、シン・シゴト服ラボが取り組むプロジェクトの一つ「店舗活用プロジェクト」のプロジェクトメンバーとして活躍していた、濱本隆太さんにインタビュー。濱本さんは、大手メーカーに務め、新規事業開発に携わりつつ大企業の若手中堅社員の実践コミュニティ ONE JAPAN幹事、地域共創団体ONE X共同代表など多様な活動を行っています。なぜシン・シゴト服ラボに携わるのか、シン・シゴト服ラボ編集長の山尾 真実子が聞きました。

新規事業開発×コミュニティの経験を求めて

山尾:そもそも濱本さんには、我々から「一緒にやりませんか」と声をかけさせてもらいましたよね。洋服の青山がビジネスウェアの課題解決を目指すコミュニティをつくることが決まって、コミュニティ活動のご経験が豊富な濱本さんにぜひ参加いただきたいと思って、ご連絡させていただきました。
まだ実績も何もない、立ち上がってすらいないコミュニティでしたが、快諾いただいたのはなぜだったのでしょうか?
濱本:理由は大きく2つで、1つ目は私の元上司が洋服の青山を運営する青山商事と一緒に仕事をした経験があり、当時の様子を「自分のキャリアにとってとても良い経験だった」と振り返っていたからです。
濱本:とくに青山商事は人々のライフスタイルに合わせて、ビジネスウェアの新しい文化づくりに挑戦し続けてきた会社で、市場の流行を定性と定量どちらの側面からも分析し、蓄積されてきた知見が非常に勉強になったと聞いていました。
実は、シン・シゴト服ラボ参画のお話を頂いたとき、真っ先にその上司に相談をしたんです。すると「絶対行った方がいい」と背中を押されました。「俺が青山商事さんと仕事をしてきたときとは、もう時代が変わって、今まさに新しいビジネスウェアのあり方を見直すタイミングだと思う。新しい社会のあり方をぜひ濱ちゃんが推進しなよ」とも言われましたね。
山尾:そうだったのですね、一緒にお仕事をさせて頂いた方から、面白かったと言われるのは嬉しいです。2つ目の理由も教えてください。
濱本:コミュニティを通して生活者と一緒に新しい商品やサービスを開発するという手法に関心を持ったことです。
最近個人的に、新規事業開発の手法として、スピーディーにプロトタイプをつくり、顧客の反応を見ながら改善を繰り返し商品やサービスをブラッシュアップする、いわゆるリーンスタートアップ的なモデルに着目していました。うまくいってるパターンのモデルはだいたい顧客と一緒になって事業開発を行っていると感じていたんです。私は、その手法を顧客共創型リーンスタートアップモデルと呼んでいます。
シン・シゴト服ラボの話を聞いた時、自分の興味がある新規事業の手法と、自分が得意なコミュニティマネジメントのどちらの要素もあると感じ、新規事業開発の顧客との共創モデルに関する事例を増やす意味でも、参加したいなと思ったのです。

人の目の色が変わる瞬間を生み出したい

山尾:本業もありながら、複数の社外活動を行うモチベーションはどこにあるのでしょうか?
濱本:人の目の色を変える場をつくり続けたい」という思いです。
ルーツは私の社会人2年目まで遡ります。入社してすぐ配属されたのが、世間的には3Kと揶揄されるような業界で、まだまだ社会人経験の浅かった私にとってはハードな現場でした。
大学生時代にはメールを使っていたのに、顧客とのやりとりがFAX、理不尽に感じるような価格交渉もありました。何も知らない私は「社会人ってこういうもんなんだ」とショックを受け、メンタルが疲弊した時期もありました。
ある時、友人から教えてもらって海外の音楽イベントに参加をしました。満天の星空の下で、友人たちと一緒に同じ空間を楽しみながら音楽を聴く体験は、自分を最高にハッピーにしてくれました。これまでのつらかったことをポジティブにも捉えられるようになり「僕もそういう体験をつくれる人になりたい」と強く思ったのです。
帰国してまず最初に、DJに必要な機材を全て買い揃え、友人に教えを請いながら自分でレコーディングをしたり、イベントに立たせてもらうことを始めました。初めは100名定員の会場でイベントをやっていたのが、気が付くと3000名以上のイベントでDJをさせてもらえるように。活動を通して改めて、自分が「体験づくり」が好きだと気づき、人の目の色が変わる瞬間が楽しいんだと感じるようになったんです。
その後はさまざまな人との出会いがあり、今の業務や社外活動に取り組むようになりましたが、その根底にあるのは全部同じです。どことなく調子が悪そうだったり、暗い顔をしていたりする人が、何かに取り組むことで目の色が変わり「ウォー!」っとなる、その瞬間を作り続けたいと思っています。
店舗活用プロジェクト企画会議中

熱が伝わり「有志」が増える面白さ

山尾:濱本さんのルーツがわかって、うれしいです。シン・シゴト服ラボに興味を持っていただいた背景はよくわかりました。今度は参画した後、お感じになられたことを教えてください。
濱本:まず、純粋にコミュニティメンバーも運営メンバーも楽しい方達ばかりだと感じました。とくに運営メンバーである、青山商事の方々の熱量の高さを感じていました。
青山商事は歴史ある企業で「洋服の青山」「THE SUIT COMPANY」と複数の有名ブランド確立し、長年ビジネスウェア業界をリードしてきた企業です。素晴らしい実績がある一方、新しいことを始めるときに過去の成功が邪魔をして、なかなか斬新な手法を取り入れられない傾向があるとも想像していました。かくいう私も、大企業の中で新規事業開発を担当していて、その苦しみは多少理解しているつもりです。
そんな高い壁に阻まれながらも、会社を変えなければとシン・シゴト服ラボを始めた人がいて、その人の「本気さ」は私にとって魅力的で、自分にできることがあれば力になりたいと思わせてくれています。
また、その熱がコミュニティマネージャーに伝わっていて、さらにその熱量が別の誰かに伝播するという現象が起こっているのも面白いです。これまで新規事業開発やコミュニティマネジメントを経験してきた中で変革には「有志」が必要だと感じていて、この有志がどんどん増えているこのコミュニティは思い描いた未来を実現する力があるのかもしれないと感じました。
また、これまでの自分の経験を活かせるところも面白いポイントでしたね。とくに失敗するポイントを事前に避けることが大事だと思っていて、一緒にプロジェクトを進める中で、自分と同じ轍を踏まないようにするためのアドバイスを楽しみながらさせてもらいました。
山尾:良いポイントをたくさん教えてくださりありがとうございます。逆に、改善すべきところは何かありますか?
濱本:都度アドバイスをしているので、改めて大きなところは思いつかないですね。私自身気持ちよくコミュニティメンバーとして参画させてもらっています。コミュニティメンバーとの細かなコミュニケーションや、プロジェクト推進に必要な会社との協議など、普段私がやっていることは全部運営事務局がやってくれていて、おかげさまで自分が想定していたよりも何倍もスムーズにプロジェクトが進行してきた感覚があります。

半径5メートルの人を幸せに

山尾:最後に濱本さんご自身の今後の展望を教えてください。
濱本:自分が関わった人が少しでもハッピーになれるような手助けがしたいです。とくに意識しているのは親友からもらった言葉「半径5メートルの人を幸せにする」。人が一生のうちに関われる人の数は限られています。そんな中でも自分が直接接点を持った人は、何かしらご縁があるはずで、そんな方々をハッピーにすることに時間を割きたいと考えています。「半径5メートルの人の幸せ」を本業でも、社会活動でも、シン・シゴト服ラボでも提供していきたいと思っています。
とくに私がシン・シゴト服ラボのなかで携わっている「店舗活用プロジェクト」では、青山商事の事業として成立性が高いものを一緒に作りたいと思っています。私自身本業で新規事業開発に関わっていますが、結局人々の大きなペインを解決できる事業こそが、社会をどんどん良い方向へ変える大きな力になります。ビジネスウェアの3.0を先導するようなコミュニティをこれからも一緒につくっていきたいですね。
個人的には引き続き、誰かの目の色を変える体験設計のプロになりたいです。そのきっかけはプロダクトかもしれないしサービスかもしれません。自分が生きている間に人から「うおー、これマジ最高だわ」と何回言わせることができるのかが勝負だと思っています。
さらに、これからは中小企業や中小事業者と言ったスモールビジネスの時代だと思っています。そんな方々の課題解決をするようなソリューションを開発し、グローバルで戦っていきたいとも思っています。
山尾:改めましてお話を伺わせて頂きありがとうございました。話を聞きながら濱本さんのエネルギーの高さを改めて感じました。今後もコミュニティ運営の先輩として、たくさんご意見いただきたいです。引き続き、よろしくお願いします!

ビジネスパーソンの課題解決に一緒に取り組む、コミュニティメンバーを募集

シン・シゴト服ラボでは、今後も「ビジネスウェア3.0を定義する」というミッションに向けて、さまざまなプロジェクトに取り組んで参ります。活動内容は服に留まらず、仕事環境そのものも「装い」と捉え、これからの社会に求められる新しいあり方の探求を続けていきます。
ビジネスウェアについて課題を感じている人はもちろん、日本型の古い慣習に疑問を感じる、仕事のパフォーマンスをもっと向上させたい、などビジネスに関する課題意識をお持ちの方も、ぜひご参加ください。企業や業界の枠を超えた挑戦を、私たちと一緒にはじめてみませんか?
コミュニティについて、さらに詳しく知りたい方はこちらへアクセスください。#きがえよう就活プロジェクトの発足の経緯や、コミュニティマネージャーの想いについてはこちら
編集:山尾 真実子(シン・シゴト服ラボ編集長・青山商事)
共同編集:種石 光(NewsPicks Creations)
執筆:熊井 亜希
カメラマン:西田 優太
デザイン:武田 英志(hooop)