吉野家、採用説明会で外国籍の事前確認廃止 参加断った学生には謝罪
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「『外国人雇用状況の届出』は、全ての事業主の義務であり、外国人の雇入れの場合はもちろん、離職の際にも必要です!」と力説(※1)しているのは、どこの役所でしたっけね。
確かに、外国籍(厳密には国籍)の事前確認は、適性や能力とは関係のない出生地を把握することとなり、「公正採用選考の基本」(※2)に反するおそれがあります。ですので、今回の対応は妥当と言えるでしょう。
そして、「在留資格や資格外活動許可の有無等の確認については、選考採用時は口頭または書面による確認とし、採用内定後に『在留カード』の提示を求めるという配慮が必要」とされています(※3)。
ところがですよ。冒頭に記載したとおり、いざ雇うとなると、今度は就労資格の確認どころか、雇用の状況をハローワークに届出なければならないのです。無届けの場合は30万円以下の罰金です。
しかも、届出事項には国籍(正確には「国籍が属する国」)があるのですよ(労働施策総合推進法施行規則第10条第1項第3号)。
つまり、「選考採用時には国籍の把握はするな、就労資格は国籍の把握をしない形でしろ、採用したら就労資格と国籍を把握してハローワークに届出ろ、無届けの場合は罰金、不法就労だった場合は不法就労助長罪(法務省・入管庁の所管)ね」、ということです。
同じ厚生労働省の所管でもこれほどいびつな制度なのに、法務省・入管庁まで関わってくるので、余計ややこしくなるのです。それをメディアが都合よく切り取って報道するから、話がいち企業である吉野家の件に矮小化されるのです。
役所もそうですが、企業を含めて多くの利害関係者が綱引きをした結果、こうした制度になってしまっていて、それを交通整理して是正するべき政治が機能していないからこうなるのです。
そのツケは、現場の人事関係者と採用の応募者が払っているのですよ。
※1 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/todokede/index.html
※2 https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
※3 https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/pdf/01.pdf(p.7)ていうか、最終面接で落とすんだから、結果的に一緒のことだと思うが・・・。それなら早く落としてもらった方が、落とされた人は違う会社に入る努力する時間を作ることができとても合理的なのに。結婚出来ると最後まで思わせぶりな態度こそ失礼ではないか。
「今後は全員が参加できる方法にした。内定後に就労ビザを取得できないリスクについては説明会で周知する」
落とし所としては真っ当だと思います。