2022/5/10

【仰天】巨大ダムを「無人」で建てるプロジェクトが始動

POINT
  • 現在、チベット高原で人工知能と3Dプリント技術を駆使した無人のダム建設プロジェクトが計画されている。
  • この「黄河羊曲水力発電所」が完成すれば、河南省に年間約50億kwhの電力を供給できるようになる。
INDEX
  • 3Dプリントでダムを建設
  • AIが建設現場の司令塔に
  • 過酷な現場では「機械」が強い

3Dプリントでダムを建設

中国政府がチベットで進めているダム建設プロジェクトが、人工知能の力によって、実質的に「世界最大の3Dプリンター」と化しつつある──そう話すのは、このプロジェクトに携わる科学者たちだ。
高さ180メートルの黄河羊曲水力発電所は、人工知能がコントロールする無人の掘削機、トラック、ブルドーザー、舗装機、ローラーを駆使し、3Dプリントの技術を用いて、一層一層を積み重ねていくように建設される予定だ。
2024年に完成すれば、羊曲ダムは黄河上流から1億人が暮らす河南省までの一帯に、年間約50億kwhの電力を送り込むことになる。送電に用いられるのは、グリーンエネルギー送電のために建設された、全長1500キロメートルの高圧線だ。
このプロジェクトの主任研究員である劉天雲氏は、専門誌「Journal of Tsinghua University (Science and Technology)」に発表した論文で、ダム建設も3Dプリントも「本質的には同じ」と述べている。
清華大学の劉天雲氏(大学サイトより)