経産省「これからのファッションを考える研究会」が分厚い報告書公開 有識者34人が議論
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官公庁ぽくないビジュアル充実のポップで分厚い報告書が、経産省のHPで公開されています。ファイル、重たいです。
経産省は「ファッション未来委員会」で出てきた課題と結びつける行動を迅速にとり続けていて、本気が伝わってきます。
私はアップデートされているラグジュアリーの概念について話しましたが、経産省のおひとりがラグジュアリーマネージメントを本格的に学ぶために留学をすることになりました。いやびっくり。
細部に至ってはさまざまな立場の方からの「ご意見」も多々出てくるだろうと思う、やや粗削りな報告書ではありますが、短期間でこれだけまとめ上げたのはすごいと思う。
経産省HPからダウンロードできる報告書はこちら↓ 議論のとりかかり材料としては網羅的によくできているのではと思います。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/fashion_future/pdf/20220428_1.pdf国内に供給される衣類のライフサイクルからのCO2排出量は、日本全体の排出量の8.8%ということで、これが自動車の排出量9.2%、貨物トラックの6.8%、セメント産業の4.5%と比べて結構大きいことがわかります(ただし、衣類の数字はライフサイクルであり、日本の衣料品点数の98%は輸入、金額ベースでも8割が輸入です)。
日本のアパレル産業の市場規模は10兆円程度なので、GDPの1.8%と思うと、いかに衣料品の排出量が大きく、しかも日本以外に押し付けている(リーケージがある)かわかります。
一方、減少傾向とはいえ日本にも繊維産業はまだまだあり、4兆円程度の出荷額があります。全体として輸入超過ではありますが、輸出品の単価は輸入品の10倍程度と、高級ブランド向けが中心となっています。
日本の繊維産業は灯油ボイラーからガスボイラーに変えて40%CO2削減したとのことですが、SOFCやHPなどでもっと削減できそうな気がします。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/textile_industry/pdf/001_07_00.pdf
こうした所への取り組みにもっと支援があって然るべきと思います。
ファッション業界では2018年に「気候変動対策のための国連ファッション産業憲章("Fashion charter")」が130の企業によって署名され、
https://unfccc.int/climate-action/sectoral-engagement/global-climate-action-in-fashion/about-the-fashion-industry-charter-for-climate-action
昨年のCOP26でその見直しが行われました。2030年までにティア1、2のサプライヤーまで、石炭火力の使用をゼロにし、低インパクト素材に切り替えるなどとしています。
LVMHはスコープ3の範囲で2030年までに55%削減、既にSBTiの承認を得ています。
ラグジュアリーブランドほど環境価値を転嫁しやすい分野はないので、製造段階の転換コストをうまく補填できるような仕組み作りが必要です。私は日本でのGXリーグの取り組みにその様なメカニズムを打ち込んで行きたいと考えています。これは素晴らしいと素直に思いますが、このいま本当に経産省がやるべきなのはデジタル庁を支援・協働することでは?とも思います。きっとほかの省庁もそうなんでしょうね。うちは大事なプロジェクトがいろいろあって忙しいんだと。