G7サミットにインド首相招待へ、ドイツがロシア孤立化図る
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G7は、1973年の第4次中東戦争とオイル・ショックに際して、西側諸国が協調体制をとる必要があったことが始まりでした。
当時、世界の主な産油国の内、ソ連や中東の産油国の多くは、西側に敵対的な姿勢がありました。特に中東の産油国を西側に取り込み、経済と安全保障の安定を図る必要がありました。
冷戦後、1998年から2014年まではロシアも加えて「G8」として毎年持ち回りで開催されてきました。
2014年にロシアがウクライナに侵攻したことで事情が一変し、元のG7にもどります。
2014年からは、G7は、「民主主義国」取り込みのための試みとして、様々な国をオブザーバーとして招待してきました。韓国、インド、インドネシア、ポーランド、スペイン、オーストラリア、ブラジル、などです。
オブザーバーは毎年顔ぶれが違います。
セネガルや南アフリカといったアフリカ諸国を招待するのは、新しいです。
それにしても、オブザーバーに招待したからといって、その国がG7陣営の側につくというわけではありません。
1999年にG7を補う枠組みとしてつくられたG20は、G7諸国と中国+ロシア、その他の中間勢力に分断されて、破綻しようとしています。
G7は、7か国とヨーロッパ諸国とオーストラリア、ニュージーランド、だけでは心もとないので、アジア、アフリカ、中南米にも味方を増やせる枠組みが必要です。その枠組みは大きな実利を伴う必要があります。
今まさにその過渡期なのですが、味方を引き込むための時間的余裕はそれほどなさそうです。インドは明白にロシア寄りの立場を取るのに、対ロ制裁を主導するG7に呼ぶというのはよくわからない。インドを説得し、G7の側に立たせようとするのだろうか。もし本気でそう考えるなら、中印国境紛争を抑止する役割をG7が担うということを保証しなければならないのだが…。
インドのアキレス腱は日本同様、エネルギーです。ドイツが働きかけても、エネルギー事情を抱えるだけに、インドはインドの国益を最優先せざるを得ない。再エネ投資を支援したところで、目下は石油ガスの確保を優先されても致し方がないでしょう。