[東京 28日 ロイター] - JT<2914.T>は28日、ロシアのたばこ事業をグループから分離する方針を明らかにした。他社への売却を含めて検討する。JTはロシアのたばこ市場でシェア4割を占める首位で、ウクライナ侵攻で事業環境が複雑化する中、対応が注目されていた。

JTは決算発表に合わせ、ロシア事業に関する寺畠正道社長のコメントを公表。「グループによる安定的かつ持続的な事業運営に著しい支障が生じる蓋然性を踏まえ」たとした。JTがロシアで生産するたばこは9割が同国内向け。4つの工場で4000人近い従業員を雇用し、現在も操業を続けている。「雇用の確保も含め、可能な限りの対応を行う」としている。

たばこ事業を統括するJTインターナショナルの嶋吉耕史副社長は決算説明会で、「第三者に事業を譲る中で、事業や雇用を継続してもらうオプションもあり得るのではないか、ということで検討を開始した」と説明した。JTは新規の投資はすでに停止している。

この日発表した2022年12月通期の営業利益見通しは5340億円と、期初計画を据え置いた。現時点では不透明要因が多いとして第2・四半期以降、必要に応じて修正を行う方針。配当に関しても「(譲渡などに伴う)影響を踏まえて還元方針に沿って判断する」(加藤信也CFO)という。

今期の業績予想に占めるロシア市場の割合は、売上高で8%、営業利益で15%程度。

*内容を追加しました。