AI同士が”競争”、合成データでディープラーニングの弱点を補完
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GANは他にもゲームキャラクターの生成への応用が研究されるなどしています。
ただし、GANがAIを加速させる打ち出の小槌なのかというと、注意が必要です。いくつかマニアックな解説を。
・GANで生成できるものには現状限りがある
GANで生成できたと報道されるものを注意深く見てください。人や風景が多いのです。人の画像が生成できると「こんな複雑な画像まで!」と思ってしまいますが、違います。人というだけで、例えば目鼻がどこについているなど強い制約があります。風景などは多少論理的に破綻していても気づけません。なので、どんな画像でも生成できるというわけには行かず、さらなる研究が必要です。
・2つのAIは同じ強さではない
生成するAIと見破るAIがあります。生成するAIはそれこを画像を生成しないといけないので、賢いAIが必要になります。見破るAIは真贋判定をするだけなので機能としては弱い。つまり、互いに切磋琢磨するAIなのですがアンバランスなのです。その非対称性が実はGANの不安定さの原因の1つだったりします。これについてはいま非常に面白い研究をしているので成果がでたらご報告します。GANは研究者の中ではもはや古いアプローチと言ってもいいくらいだと思いますし、先日話題になったDall e2はDiffusionモデルという新しいアプローチを使ってましたね。ある意味「枯れてきた」技術となり応用レベルに入りつつあるのは素晴らしいです!
一方のAIが偽物を作成し、一方のAIが偽物を暴くというように2つのAIを競わせることによりそれぞれの学習を進めるのがGAN(敵対的生成ネットワーク)です。ハッカー(クラッカー)対ホワイトハッカーの戦いのようなものですので、常にいたちごっこになりますが、双方の技術が高まっていきます。
非常に面白い技術で期待がもたれますね。