ED治療薬の常用で、重大な眼疾患リスクが85%増加
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バイアグラは、今ではEDの治療薬としてその座を確立していますが、もともとは心臓の病気である狭心症の治療薬として開発されたものです。その際「副作用」としてEDの改善が認められたことから、その副作用こそが主の作用となり現在に至ったという歴史があります。
このように、予想されていない副作用が後から分かるということは稀ではなく、医師の指導のもとで薬を使う重要性はこのようなところにもあります。
なお、バイアグラは日本国内では不妊治療にしか保険適用がなく、EDへの治療としては自由診療や、海外からの個人輸入で使われているケースも稀ではありません。そのような背景から日本国内での観察は甘くなっていると思われ、これは日本にとっても重要な報告、指摘だと思います。勃起は性的刺激によってNOが産生されて、陰茎海綿体の血管が拡張し血流が増え、膨張します。さらにそれは、白膜という硬い膜で覆われています。一定の容積のところに沢山の血流が流れ込む形になり、硬く勃起するという現象が起きます。
ですので、血流に問題が生じるとEDになります。糖尿病の方では半数以上に合併するとも言われています。
バイアグラはPDE5阻害薬と呼ばれる薬剤で、NOによって増えたcGMPを分解するPDE5を阻害することでその効果を高めます。
なお、「ニトロ」はNOの供給薬です。併用することで過度に血圧が下がるため禁忌となっています。
山田さんのおっしゃられている通り、歴史的にはNOによる血管拡張の作用を、ニトロとは別の形で強めるために狭心症治療薬として開発された経緯はありますが、結果的にED治療薬として用いられています。
PDE5が比較的肺と陰茎に多いことがわかっており、ED治療薬としてだけでなく、肺高血圧症という比較的稀な疾患にも使用されています。
決して、頻度の高い副作用ではないということですが、もし常用されているのであればかかりつけ医と相談しながら使用するのがよろしいかと思います。契約していませんので本文までは読めていませんが、コメントとして寄せられているものに2年に1回は眼科受診(60歳以上なら1年に1回)を勧める旨が書かれていました。EDは動脈硬化によって末梢血管が詰まることで起きるので、ED治療薬によって他の血管に何らかの変化をもたらす可能性はありうること。
例えば、バイアグラ利用者は認知症のリスクが7割低いという研究も出ている。
米研究で「バイアグラを飲んでいる人は認知症リスク7割減」の衝撃データ
https://www.news-postseven.com/archives/20220131_1723238.html/4
記事で参照している論文はおそらくこちら。
Risk of Ocular Adverse Events Associated With Use of Phosphodiesterase 5 Inhibitors in Men in the US
https://jamanetwork.com/journals/jamaophthalmology/fullarticle/2790661