2022/4/22

【格差】男女が対立。世界一激しい“#MeToo”が起きた事情

NewsPicks 編集部(シリコンバレー支局長)
なんとも耳が痛い話だ。
日本と韓国は男女の格差を表す、いわゆる「ジェンダーギャップ指数」の低さでどんぐりの背比べをしている。
世界経済フォーラムの統計で、日本は先進国で最低レベルの156カ国中120位。政治と経済の分野で、女性の参加割合が低いことが響いている。
そして、お隣の韓国は102位だ。日本より順位はわずかに上だが、誇れない場所にいることだけは確かだ。
両国には男性は外で仕事、女性は家で家事を担当するという「家父長制」の名残があることからも結果は想定外のものではないだろう。
その韓国に、誰もが知る作家がいる。小説「82年生まれ、キム・ジヨン」を書いたチョ・ナムジュさんだ。
小説では、主人公のキム・ジヨンが成長する過程を通して、一般的な女性が学校や職場で受ける差別、就職で経験する男女の不平等、そして社会での生きづらさが淡々と描かれている。
2016年の発売直後から大反響を呼び、韓国では累計発行部数が130万部を超える異例の大ヒットになった。2018年には日本でもベストセラーとなり、これまでアメリカ、フランス、ベトナムなど30カ国で出版されている。
日本と韓国で多くの女性が小説に共感したのは同じだったが、その後の経過は大きく異なっている。
写真:Getty Images / NurPhoto