2022/4/9

【超約】今週のニュースを「3つの要点」でおさらい

NewsPicks 編集部 記者・編集者
NewsPicksでは毎週土曜日、本記事と同内容のニュースレター「今週のニュースのポイントをつかむ」を配信中です。重要ニュースの要点を素早くキャッチアップできます。
INDEX
  • ①マスク氏、新たな挑戦
  • ②東証再編、何が変わった?
  • ③EU、ロシア石炭を禁輸

①マスク氏、新たな挑戦

(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
💡概要
アメリカの電気自動車(EV)大手テスラCEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏が、ツイッター社の取締役に就任しました。
マスク氏は同社の株式の約9.1%を取得。米メディアによると、同社創業者で前CEOのジャック・ドーシー氏の持ち分などを上回り、筆頭株主になったとみられます。
🤔ちなみに...
マスク氏は8000万人以上のフォロワーを持つことから、同氏のツイートには大きな影響力があります。
4日には「編集ボタンが必要ですか?」と投稿し、440万票以上を集めました(はい:73.6%、いいえ:26.4%)
その後、同社は数カ月以内に投稿内容の編集機能を試験的に導入すると発表しました。
同社は「去年から検討を続けてきた」として、この投票が影響した可能性を否定しているものの、こうしたマスク氏のツイートが今後、同社のビジネスにさらなる影響を与える可能性は強まりそうです。
✅ポイント
  1. マスク氏は、同社の言論の自由に対する姿勢に批判的な見解を示し、「新しいプラットホームが必要か?」などとツイートしており、今後もサービス改善を推し進めるとみられる。
  2. 同氏の株価取得が分かると、同社の株価は、27%(終値、1日:39.30ドル→4日:49.97ドル)上昇。投資家の高い期待がうかがえる。
  3. ツイッター社のパラグ・アグラワルCEOは、マスク氏を「(ツイッターの)熱狂的な信奉者かつ、サービスへの激しい批判者」と評し「必要としている存在」と取締役入りを歓迎。

②東証再編、何が変わった?

(写真:時事)
💡概要
一流企業の代名詞だった、「東証1部」が消滅しました。
東京証券取引所(東証)は4日、新たな市場区分での取引をスタートさせました。東証の中核市場に及ぶ再編は60年ぶりです。
最上位は「東証1部」から「プライム市場」へと名前が変わり、上場や維持の基準が厳しくなりました。下記が、覚えておきたい大きな変化の一つです。
【これまで】
東証1部には、時価総額40億円で上場でき、10億円を下回らないと上場廃止にならない。
【これから】
プライムでは、上場も維持も一律に流通時価総額100億円以上を求められます(流通時価総額=流通株式比率×時価総額)。
🤔ちなみに...
東証1部の消滅により、東証株価指数(TOPIX)の構成が今後、少し変わっていきそうです。
これまで、TOPIXの構成銘柄は東証1部の全銘柄が対象でした。
4月1日での構成銘柄は、選んだ市場に関わらず、現時点では対象として残ります。しかし、流通時価総額100億円以上を満たさない企業は10月以降、10%ずつ徐々に組み入れのウエートを下げられ、2025年1月にはゼロになる予定です。
つまり、時価総額が小さかったり、持ち合い株の比率が多かったりする銘柄は、TOPIXから除外され、機関投資家にとって魅力的な銘柄の構成が増えていきそうです。
✅ポイント
  1. 狙いは、上場や維持に必要なレベルが低かったことなどの改善。
  2. 東証一部上場企業の84%(1839社)はプライム市場へ移行。ただし1839社のうち295社は、まだ新たな上場基準を満たしておらず、経過措置の対象になっている。
  3. 一方で、エバラ食品工業やキャンドゥなど、あえてスタンダード市場(プライムより要求水準が低い)を選んだ企業も。限られた経営資源を商品やサービスの充実などに向ける狙いがあるとみられる。

③EU、ロシア石炭を禁輸

ドイツにある欧州最大規模の石炭火力発電所(写真:AP/アフロ)
💡概要
欧州連合(EU)各国は7日、ロシアからの石炭の輸入禁止を柱とする追加制裁に合意しました。石油天然ガス・金属鉱物資源機構のレポートによると、ロシアの石炭輸出量は6450万トン。全体の輸出量に占める、欧州向けの割合は約3割を占めています。
主要7カ国(G7)の首脳も7日、「石炭輸入の段階的廃止や禁止を含む計画」を進めると表明しました。これに呼応し、日本も岸田文雄首相が「ロシアからの石炭輸入禁止」を表明しました。
一方で、ドイツを筆頭にロシアへの依存度が約40%と高く、短期的に代替も難しい「本丸」の天然ガスや石油の禁輸は見送りました。ロシアは、天然ガスの支払いに自国通貨のルーブルでの支払いを要求するなど、エネルギーをめぐるEUとロシアの駆け引きは続いています。
🤔ちなみに…
エネルギー価格が高騰するなか、中長期的に、ロシアへの依存度を下げるため各国のエネルギー戦略の見直しも進んでいます。
イギリス政府は6日、エネルギーの安定供給に向けた新たな中長期計画を公表。2030年までに原子炉を最大8基建設し、50年時点の原発比率を足元の16%程度から25%に引き上げました。
再生エネルギーの比率も、20年時点で4割強だったものを、30年までに7割以上に引き上げ、原発と再エネで「脱炭素」も同時に進める方針です。
同国では、4月に標準的な家庭でエネルギー価格が5割以上も上がっており、ジョンソン政権への不満につながっていました。
ポイント
  1. EUの石炭禁輸計画の発表後、石炭先物価格が12%以上も上昇し、価格の高騰が懸念される。
  2. 依存度の高いドイツは、ロシア産石炭が即時禁輸となれば、一部の火力発電は稼働停止に追い込まれる公算が大きいとの見通しを示し、ショルツ首相は「4カ月の移行期間が必要」との見解を示した。
  3. ウクライナのゼレンスキー大統領は7日のビデオ演説で、民主主義国家はロシア産原油を拒否すべきだと訴えた。