ウクライナ大統領「最悪の戦争犯罪」、惨状訴え 国連改革も要請
コメント
注目のコメント
ゼレンスキー大統領の安保理演説は、NHKテレビでもリアルタイムで放送されたので、フルに拝聴することが出来ました。
彼の話を聴き、折々画面に映る参加国代表たちの表情を見ながら、事態はすでに元に戻らないポイントを超えた、という印象を持ちました。このままこの戦争が停戦を迎え、何事もなかったかのように、ロシアが安保理の常任理事席に座るというシナリオは、安保理が「常任理事国の既得権を守るためではなく、世界の平和を守るため」にあろうとするならば、どう考えてもあり得ない、というのが私の感覚です。第二次世界大戦の戦勝国としての既得権は、常識に照らして、さすがに無条件かつ永遠に続くものではないはずで、人権理事会と同じく安全保障理事会でもロシアの扱いを見直す動きが始まるはずです。それは国連の国際社会におけるレジティマシー(Legitimacy 正統性)を守る為には必要で、後世、今回の戦争は、国連の組織のあり方を変える契機と位置付けられるものとなった、と評価されるに違いない、との感を深めているのは、私だけではないと思います。ゼレンスキー大統領の演説は、
① 前半はロシアの戦争犯罪の描写
② 後半は国連、特に安全保障理事会の改革への提起
でした。
「安全保障理事会が保障する安全というのはどこにあるのか?」
「国際法は機能しているのか?もししていないのなら、すぐに行動しなければならない。国連憲章もつくり直される必要がある。」
具体的な国連改革案をそれほど提起したわけではありませんが、
「安全保障理事会は、世界中の地域から公平に代表が出されるべきだ」
というゼレンスキー大統領の主張は、従来から多くの国々(特にインドやアフリカ、中南米の地域大国)が主張していることです。
難しいところで、今の国連は、常任理事国である5大国の間でだけは、拒否権を使って直接戦争しないようにする、そして世界大戦が起きないようにする、というのを第1の目的としています。実際、現在も米国とロシアは直接戦争していません。
一方、ベトナム戦争や湾岸戦争のような、(きっかけとしては)5大国以外による戦争は起きてきました。
中東戦争くらいの戦争であれば、戦争は起きますが、一定期間で5大国が仲介して停戦させる、ということはできました。
問題は、やはり、5大国のどこかが率先して戦争を起こしたらどうするのか、ということですが、これは、残りの大国が戦争以外の手段でできるだけ止めようとする、という以外の回答は、今の国連にはありません。
ただ、5大国にインドや日本が加わったとして、そんなに戦争を止める力になるのかというと、十分な回答ではなさそうです。国連改革待ったなし。民間人を虐殺する軍隊を抱える常任理事国が安保理で拒否権を行使して国連の機能を麻痺させるところに、国連分担金を拠出するのはおかしいと思う。改革なければカネは払わないと宣言しようではないか。厚顔無恥、残酷無比、荒唐無稽という言葉はロシア軍のためにある。