2022/4/2

【早わかり】ロシア経済を陰で支える、中国の「極東ロシア投資」

POINT
  • 中国とロシアの両政府は、極東ロシア開発への投資によって地域の成長に弾みをつけようとしている。同地域において、中国は最も重要な資金源だ。
  • 中国にとって極東ロシア開発への投資には3つのメリットがある。近代化が遅れた東北地方への支援、「一帯一路」構想の推進、北方国境の安全性の確保だ。 
  • 極東ロシアの開発は、世界第2位の経済大国である中国が、ウクライナ侵攻によって経済的孤立を深めるロシアを支援する方策のひとつになる。
2012年、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、極東ロシアの経済開発が「21世紀を通じて優先されるべき国家的課題」になるだろうと宣言した。
プーチン大統領が掲げる「東方シフト」政策の狙いは、中国と4000kmにわたって国境を接する広大で資源豊かな東部エリアを、アジアの経済力によって開発することだ。
中国とロシアの両政府は、この地域で双方に利益になるパートナーシップを築こうとしている。
中国東北地方の黒龍江省と、ロシアの極東連邦管区に属するユダヤ自治州およびアムール州は、従来つながりが深い。中国国務院は、極東ロシアへの投資が地域一帯の成長に寄与するだろうとみている。
他方、観測筋が注目するのは、ロシアがウクライナ侵攻によって欧米の経済制裁を受けるさなか、中国が戦略的パートナーとしてロシアにどのように経済支援を行うのかという点だ。
以下、極東ロシア開発における「中露連携」について、知っておくべきポイントをQA式で解説する。
中露がわかる極東ロシアQ&A
  • 1.極東ロシア「中露連携」の原点は?
  • 2.主な共同プロジェクトは?
  • 3.ロシア経済にどれほど貢献している?
  • 4.中国が極東に関心をもつ理由は?