【直撃】地球を守り、お金も稼ぎだす「方程式」
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ソーシャルインパクトとベンチャーキャピタルの交差、これは拙著で数年前に論じました。その代表先週がゲイツさんでしょう。複数のファンドを運営されていますが、アジア各国でもよく出くわします。私の投資先のインド企業に「ビルメリンダ財団が訪問にくる」と聞き、誰か担当が来るのだろうと思いきやビル本人が来た時にはさすがに驚きました。
サステナビリティに投資するベンチャーファンドを運営していますが、残念ながらサステナブルという視点から投資を決めてくれる投資家は日本ではまだまだ限られます。このファンドの場合、ゲイツ氏のネットワークからエンジェル的な資金が呼び水的に多く入っていると思われます。この手のPatient capitalと言われる資金はESG嗜好のスタートアップにはまだまだ必要なことも多く、公的機関や財団などがこの分野に乗り出すケースもより増えてきています。
この気候変動ファンドは、まだ成功が約束されていません。AUM(Asset Under Management)にして2000億円ほどですが、一般的にこれほどの資金を20年間運用するのであれば、20年後には1兆円以上のリターンを手にしていなければいけないからです。
このファンドの狙いは、どちらかといえば科学者30人が選びぬいた、将来有望なテクノロジーに「可能かもしれない」というフラグを立てて、外部の投資資本を集めるための呼び水になることでしょう。この長期にして、大型のお金を脱炭素分野に効率よく集めるには、やはりそうしたシンジケートが欠かせないからです。
2000年代のクリーンテックバブルの失敗を経て、ビル・ゲイツは、どういう仕組みでこの脱炭素ファンドをつくったのか。投資責任者のインタビューをぜひご一読ください。