ウクライナ大統領、EU加盟を正式申請
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何かのシグナル、シンボル効果を狙ったのでしょう。
とはいえ、政治、経済、社会に広範な構造改革を要するEU加盟。EU加盟交渉は、はるかに長く険しい道です。ここでEUが政治的判断でウクライナのEU早期加盟を容認した場合、まずロシアを大きく刺激することが懸念される。
それに、ウクライナだけを優先すれば、西バルカンとの関係が泥沼化する必要がある。西バルカンにも親露派が少なからずいるし、ロシアもその勢力圏に入れたがっている節がある。
様々な意味で、また虎の尾を踏んでしまう危険性もある。まずは停戦合意に達することを望みたいです。今回のウクライナの戦いはギリシア独立戦争に見立てる意見が最近台頭しています。
私たちはギリシアというとヨーロッパ文明の祖であり、ヨーロッパの一部だと認識しています。
しかし19世紀前ギリシアは長らく地理的にも文化的にも、オリエントに属しており、はるか古代の歴史を除けば、トルコの一部とみなされていました。
その認識が決定的に変わったのがギリシア人達がオスマントルコからの解放を求めて戦った1821年に始まったギリシア独立戦争です。
戦争当初、西欧列強はギリシアには極めて冷淡でした。
彼らはギリシアはトルコの一部だと考えていましたし、そもそもウィーン体制下で民族の独立を警戒しており、その意味でもオスマントルコの過剰な弱体化など望んでいなかったのです。
ギリシア人達は孤高の戦いを強いられ、敗北寸前まで追い込まれましたが、その戦いぶりにやがて西欧の知識人などが共感を示し、西欧から数多くの義勇兵がギリシアに集まることになりました。
やがてこれらの動きに突き動かされたイギリス、フランス、ロシアが戦争に介入。ついにギリシアは独立を果たすことになるのですが、何より大きかったのはこれによりギリシアはオリエントではなく、ヨーロッパであると西欧に認められるようになったことだと言われています。
今回のEUへの加盟申請に見られるように、もしかすると今回の戦争は、ウクライナがスラブではなく、ヨーロッパの一国となる道筋をつけたのかもしれません。プーチンから見れば、軍事機構ではないが、西側の価値観を体現し、自由と民主主義を柱とする価値観を持つEU加盟国がロシアの隣にできることは望ましくないだろう。しかし、NATOとは違い、ロシアの安全保障を脅かすものではないとも見るだろう。EU加盟申請は黙認となるだろうな。