ニセモノが氾濫。オーガニックコットンの「不都合な真実」
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昨年、日本でも農林水産省が「みどりの食料システム戦略」という脱炭素持続性を謳った戦略を発表し
2050年までに日本の有機農地を全体の25%まで拡大するという目標数値を掲げました。
(一般的に オーガニック=有機農業)
ちなみに現在は認証を受けている農地が全体の0.2%で、これは私が有機農業に携わった15年前からほとんどかわっていません。
しかし、農林水産省にヒアリングしたところ、「この目標値において化学肥料、化学農薬を使っていなければ認証にはこだわらない」とコメントし、実際にその後の補助金などにおいても認証がなくとも有機農業関連の事業とみなすものも出てくる見込みです。
実際にやってみればわかるのですが、化学肥料、化学農薬を使わないということは端的に生産性を下げることになります。
衣類の原料がオーガニックであることに何の意味があるのか兼ねてから疑問でしたが(同じようにオーガニックフラワーとか)
単に消費者のイメージに過ぎない(全部とはいませんが多くは言葉のイメージで購買行動につながっているでしょう)
イメージのために生産性を下げるなんて馬鹿らしいと現場では思って、紙ペラ1枚でより売れるようになるならそうするよ、と生きるのに必死な人たちであればあるほど何の罪悪感もなく偽装はするだろうなと思います。
もちろんそれをよしとするということではないですが
消費者のほとんどが実際の生産現場には興味も知識もないなかで、気まぐれになんとなく良さそうなものを選択するのはしかたないとして
行政の取り組みもそれに引っ張られてなんとなく決まってしまうと、実際の業界は混乱します。
オーガニックコットンなるものが本当に身体によい、もしくは環境負荷がひくいのかこれを機にある程度根拠を持って評価されると良いのではないかと思います。
ちなみに、私が運営する農園でも綿花を育てていますが、そもそも虫害は少ない植物なので農薬をつかったことはありません。
農薬散布もお金も手間もかかることなのでやらないで済むのであれば誰もやりません。
しかし認証を取るのも結構な手間とお金がかかるのでできれば避けたい。
そんな現状でオーガニック認証のあるなしで実際の品質等に優劣が生まれているとは思えないというのが実感です。ESGにしても金融にしても、格付け期間の重要性は高い一方その信頼性は今ひとつ。インドのように国家権力まで巻き込んでいるとすると問題は根深い。「環境は金になる」とばかりに悪徳業者を許すと、環境そのものに対する信頼性や盛り上がりが毀損されてしまいそうで心配です。
オーガニックがモノを高く売るための口実に使われているとは、悲しいかぎりです。インドのオーガニックコットンの50%から80%が本物ではないと。サプライチェーン全体を管理できている認定機関は少ない。結局は自社農場で綿花を製造し、自社工場で加工するしかなさそうです。