(ブルームバーグ): 米フォード・モーターは電気自動車(EV)を従来自動車事業から切り離す方法を検討している。テスラなどEV専業メーカーが享受している投資家からの高い評価を得たい考えだ。

事情に詳しい複数の関係者によると、ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)はEV事業とエンジン車事業を分離したいと考えており、どちらかをスピンオフすることも検討している。

しかし、フォードは会社分割は計画していないとしており、実現も困難であることが予想されるため、同CEOは幅広い事業再編の一環としてEV事業を内部で独立させるだけの道を選ぶこともあり得る。

同社を創業したフォード一族にとって、スピンオフは受け入れるのが難しい選択肢かもしれない。特別な種類の株式を保有してフォードを実質的に支配している創業家は、118年の歴史を持つ同社に対する影響力を失うことを警戒しているという。内部情報であることを理由に関係者が匿名で語った。ビル・フォード会長を筆頭に取締役会には創業家出身者が3人いる。

スピンオフの可能性についての質問に対し、同社は「会社を変革し、EVとコネクテッドカーの新時代で成功するためのフォード・プラス計画に注力している」とメールで回答。「バッテリー駆動EV事業もしくは内燃エンジン事業をスピンオフする計画はない」と説明した。

18日の米株式市場ではブルームバーグ・ニュースの報道を受けてフォードの株価が上昇し、一時5.4%高となった。

原題:Ford CEO Is Considering Ways to Run EV Business Separately (1) (抜粋)

(第3段落以降を追加して更新します)

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