2022/2/18

【必見】知られざるコンセプトアートの秘密

NewsPicks 記者
未来を描く力を持っているのは、文字だけではない。アートによって、未来を動かすケースもある。
コンセプトアート、という言葉を聞いたことはあるだろうか。
もともとは映画やゲームの世界の言葉で、初期段階の構想をビジュアル化した絵を指す。
5年ほど前から、このコンセプトアートを企業の数十年先のビジョン作りに活用しようという動きが、密かに始まっている。
それを担うのは、世界的コンセプトアーティストで、大ヒットSF小説『三体』の邦訳版で表紙絵を描いたことでも知られる富安健一郎氏だ。
富安氏が、コンセプトアートの手法と企業活動にもたらす効果を明かす。
INDEX
  • 全ては、ブレードランナーから始まった
  • プロジェクトに人を巻き込むためのアート
  • プロジェクトの見取り図だ
  • 本音のぶつけ合いは、重要
  • 具体的な一人のペルソナを作れ
  • パーパスの作成にアートが使える
  • 大企業こそ、コンセプトアート
  • 未来にワクワクしている

全ては、ブレードランナーから始まった

──「コンセプトアート」とは、そもそもどういう絵を指すのでしょうか。
富安 元々はハリウッド業界で生まれたものです。1982年に公開されたSF映画「ブレードランナー」に携わったシド・ミード氏が、コンセプトアートの始祖と言われています。
リドリー・スコット監督とミード氏が出会い、ミード氏がかっこいい絵をどんどん描いて世界観を提案していった。「それ最高じゃん!」となって、ミード氏が描いた絵を実現させる形でセットを組んで、撮影が進んでいきました。それが、コンセプトアートが生まれた瞬間と言われています。
ここ15年ほどは、ゲームの世界でも使われるようになりました。