大阪が歴史的医療逼迫 現場で何が起こっているのか 講じられている対策は
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倉原先生の記事。
大阪での逼迫した状況を冷静に分析しておられます。
倉原先生の勤務されている国立病院機構近畿中央呼吸器センターでは、
▷「中等症II」というのは、人工呼吸器を装着する「重症」の1つ前で、医師としてはかなり危機感を持たねばならない状態です。これが、軽症中等症病床の入院例の約4割にのぼっています。
という状況だそうです。
▷単一ウイルスの感染症で大阪府内の集中治療ベッドが3ケタ人埋まるというのは、季節性インフルエンザでは観察されなかった現象で、「オミクロン株は軽症」という考えを一度捨てる必要があると思います。
今がピークと思っていても、何度も繰り返しくれば医療者も苦しくなってきます。ただでさえ、日本の医療者は、特に前線にいる医師は少ないのに…僕は基本的は『マンボウなど出さず経済を回すべきだ』と考えている側なのですが、それでも『コロナは風邪』という人達に乗れないのは彼等は『重症者数と死亡者数』に注目しているが『どれだけ病院が逼迫しているのか』への関心が薄いこと。
戦争において対人地雷は殺害が目的ではなく負傷させることで本来なら戦闘に参加する人員まで負傷兵の手当や生活の世話をさせることで戦力を減らすといった目的があると聞く。
オミクロン株も死なずに重症者もそれほど増やさずに『入院が必要な患者が増やす』という意味では厄介なものだと思っています。それでもマンボウとかを希望する人達にも乗れないのは『それで流行を抑えられるとは思わず少しだけピークを遅らせる程度の効果の割に経済等へのダメージの方も軽視できないから』です。『「オミクロン株は軽症」という考えを一度捨てる必要がある』と言われても、健康な若い人にとってはなかなか難しいのでしょう。
これだけ感染者数が増えると、周りでも感染した方が出てきます。その方のほとんどが、「大したことなかった。ちょっとつらい風邪くらい。」とでも言われたら、やはり警戒心は上がらないと思います。
インフルエンザとの比較が良く見られますが、
『季節性インフルエンザとは検査適応・体制が異なるウイルスなので、陽性者から算出した致死率を比較しても、それは本質的とは言えません。』と記事内にあります。
インフルエンザは症状が出てから検査を受けます。
新型コロナは濃厚接触者の段階でも検査を受けます。
つまり、インフルエンザは「無症状または軽症者」の数を含めていません。単純に致死率を比べることはできないでしょう。
また、病床率逼迫で良く言われるのが「軽症者を入院させているからだ」という意見もありますが、当たり前のことですが、病気の症状は変化します。重症者でも最初から重症の方もいれば、だんだん悪化する方もいます。今現在、軽症に見えても悪化する兆候が見えて、入院が必要だと判断されることもあるでしょう。入院治療の結果、軽症のまま退院に至れば「軽症なのに入院した」ということになります。
病床に余裕がある時は、軽症でも即入院とすることもあったかもしれませんが、大阪だけでなく他の都市でも、そんな余裕はないと思います。
コロナ初期の頃から「病床数の拡充」も良く言われてきました。
一般診療との兼ね合いや、医療従事者の確保などの問題もあり、ベッド数だけ増やせば良いという訳ではないことは分かりきったことです。どんなに病床数が増えても、追いかけるように患者が増え続ければ、やはりいつか破綻します。
この2年で、治療法や薬の研究、ワクチンの接種などが進んできました。もう感染しても薬で治るんじゃないか?インフルエンザと同じレベルで考えて良いんじゃないか。と思ったり、諸外国のマスク義務解除などのニュースを見て、日本はまだか!遅れてる!というような気持ちになることもありますが、あと少し慎重に感染対策をする必要があると思います。