[東京 3日 ロイター] - 任天堂は3日、ビデオゲーム機スイッチの累計販売台数が、昨年末時点で1億0354万台だったと発表した。会見した古川俊太郎社長は、投入から6年目に入るスイッチの商品寿命はまだ中盤にあるとの見方を変えず、スイッチは「従来のライフサイクルを超えて成長する基盤が整っている」と強気の姿勢を示した。

2022年3月期の販売予想は、2300万台と前回から100万台下方修正。半導体など部材の供給不足を受けたためだが「昨年のホリデーシーズンもハード販売は高い水準を維持できた。いいモメンタムを持って22年に突入できた」と需要は旺盛だという。

スイッチの累計販売台数は、すでに生産を終了した「Wii」の1億0163万台を突破。同社が投入したハードとしては、1億5402万台を販売したニンテンドーDS、ゲームボーイに次ぐ3位へ浮上した。

古川社長はこの点について、スイッチはテレビや携帯など異なるプレイモードを持っている点が特徴で「これまでのハードと異なる価値を生み出している。2台目、買い替えなど様々な需要も生み出せている。純粋な据え置き機であるWiiやDSと単純な比較はできない」との考えを示した。

同業者の間でゲーム開発会社への出資が進んでいることには「社内でブランドを理解し育ったスタッフが、製品を丁寧に育てて商品を展開している。こうした姿勢は変わらない」と否定的な見解を示した。

同時に発表した通期業績見通しは、営業利益見通しを5600億円へ400億円上方修正。ソフト販売の好調や円安が追い風となったが、前年度に爆発的な人気を集めた「あつまれ どうぶつの森」の反動で減収減益となる姿は変わらなかった。