(ブルームバーグ): 三菱UFJ銀行は、4月から紙の通帳を希望する新規顧客に年間550円の手数料を課す方針だ。高齢者は対象から除く。通帳レスのデジタルサービスの利用を促すとともに、コスト抑制や紙の削減を通じた環境貢献を強化する考えだ。

複数の関係者が13日、明らかにした。月内にも公表する。

通帳に手数料を導入する動きは、昨年から広がり始めている。大手銀行ではみずほ銀行と三井住友銀行が、一部の新規顧客に手数料を課す改定を行ったほか、地銀でも横浜銀行や中国銀行、筑波銀行などが同様の取り組みを始めた。

三菱UFJ銀は、2年以上利用がない口座への維持手数料を設定しているが、通帳の有料化には踏み切っていなかった。今回の手数料導入で顧客のデジタル利用を後押しし、2012年から始めた「Eco通帳」のさらなる普及を図る。

銀行が通帳からの脱却を図ろうとするのは、コスト抑制や環境貢献につながる利点もあるためだ。

紙通帳は課税文書と見なされるため、銀行は印紙税として1口座当たり年間200円を納める必要がある。数千万の口座を持つ大手銀行では年間の負担額が数十億円に上るとみられる。また、発行する通帳の数が減れば紙の削減につながる。

三菱UFJ銀・広報部の堀野幹人氏は「新規口座開設者を対象に通帳手数料の設定について検討しているのは事実だが、決定した事実はない」とコメントした。

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