医療AI、ソフト更新時の再審査不要に 規制緩和を検討
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医薬品や一部の医療機器(例えばペースメーカーなど)は実際に体内で使うことから、副作用等が発生した場合は最悪死につながります。これをゼロにできないこともわかっていますが、できる限り有効性と安全性のバランスをとる基準として、また臨床試験の被験者の人権に配慮する基準として、GCP(臨床試験)やGMP(製造基準)が国際的に定められています。この基準を重視することは基本的に必要です。
基準は、医薬品規制調和国際会議(ICH: International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)という機関で定められますが、これにより、各国がバラバラに臨床試験を行うことによる「ヒトにおける不必要な臨床試験の重複」や「不必要な動物実験」を避け、安全性、有効性及び品質の高い医薬品が効率的に開発、登録及び製造されることが目的で、世界基準(ICH基準)に沿うことにより、同じデータを使って世界で承認が目指せることになります。
一方、日本の薬機法上の定義における医療機器の承認プロセスでは、それが低侵襲の区分であったとしても、日本で前例のない種類の機器の場合は、緻密な基準のクリアを要求されるケースが多く存在しています。
例えば、心電図測定機能がついていれば「医療機器」であると当局に指摘されていたことにより、機能を付ければ一般販売できなくなってしまう恐れから、アップル社は、日本で長期間にわたり、アップルウォッチの心電図機能を意図的に外していました。
認めらるようになったのは、ソフトウェアも医療機器の対象にできるという法規が作られたことによるもので、ソフトウェアは「Appleの不規則な心拍の通知プログラム」という製品名で、日本で医療機器として認可(2020年9月4日付)されました。顛末が論理的でないため、私もうまく伝えることが困難です。
日本ではこのような低侵襲のデータ測定だけの機器に対し、必要以上の基準を要求する傾向があると思います。審査自体が目的化し、必要性を判断できていないように感じます。品質の担保は当然に必要ですが、国際的な基準を踏まえた方向に見直すことは必要だと思います。
注目のコメント
AIは自律的判断を提供してくれる強力な力を持つようになってきているので、アップデートによってその内容が大きく変わる可能性もある。なのでアップデートのたびにチェックしなくて良い、とだけしてしまうと大変な事故に繋がり兼ねない。一方でアップデートのために治験を行うなんてことになったら誰もアップデートできなくなってしまう。承認の際、今後のアップデートでパスしないといけない条件を決めておき、それを逸脱した場合には再承認が必要、など事前のの取り決めが必要。
プログラム医療機器(SaMD)の普及推進を考えると、一歩前進ですね。
なかなか難しいですが、できれば今後は市販後調査を自動化するシステムもセットで開発して、有害事象を早めに検出する仕組みの導入に期待したいです。
なんにせよSaMD普及とアップデートによるメリットと、有害事象のデメリットと、SaMD毎の特性を勘案して判断するバランス感覚が大切だと思います。