カザフで抗議デモ広がる、鎮静へ旧ソ連諸国が支援部隊派遣へ
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(追記)ロシアが主導する集団安全保障条約機構(CSTO)が、カザフスタンへの平和維持軍を派遣する意思を表明しました。
カザフスタンのトカエフ大統領も、今回の騒乱を「外国のテロ組織が仕掛けた攻撃」であるとして、集団安全保障の発動を要請しています。どう見ても、起きているのは「外国のテロ組織の攻撃」などではなく、生活苦に怒った群衆による、統率も無い抗議の打ちこわしです。
カザフスタンでは、群衆による役所の占拠や打ちこわしが続いていますが、ロシア軍が進駐して来る可能性が高くなりました。
キルギスタンなどもそうですが、中央アジアのあのあたりの国だと、数千人の群衆が政府庁舎を占拠して火をつけて回ったりすると、大統領の首はすげ替わります。
ただし、これといった有力な野党なども無いので、適当な旧政権の要人が次の大統領に就任して、同じような政治をします。
ロシアやベラルーシくらいだと、数千人の群衆くらいだと政府は倒れません。ウズベキスタンでも難しいのではないでしょうか。
カザフスタンは、人口は2000万人で、世界で15番目くらいの産油国です。1人当たりGDPは9000ドルくらいで、そこからなかなか伸びません。
油田のある西部の方が所得が低く、首都のある西部の方が高い、という所得格差もあります。
今回、群衆が政府機関を占拠するに至ったのは、燃料(天然ガス)の値上げがきっかけです。カザフスタンでは、暖房や電気だけではなく、車も天然ガスで走っています。
生活苦が重なっていたのと、富の偏りに対する不満がたまっていたのでしょう。インフレ率は7%くらいですが、数字で把握できない生活の上で苦しい国民が増えていたのでしょう。旧首都のアルマトイでは旧大統領宮殿がデモ隊によって占拠され炎上、新首都ヌルスルタンにも非常事態宣言が発令されて全国でインターネットがダウン、と状況は緊迫化しています。
昨年のベラルーシにおける反体制運動を想起させますが、今回のカザフスタンにおける事態は遥かに進行が早く、政府の治安部隊はあちこちで早々に反体制側に寝返っているようです。
首都ヌルスルタンは平穏なようですが、国内でこれだけ多くの主要都市がコントロール不能になると、トカエフ大統領(と実質的な最高権力者であるナザルバエフ元大統領)もいつまで保つか…という方向にどうしても想像が行ってしまいますね。カザフスタンがエラいことになってきた… コロナの後遺症は新興国通貨安、インフレという形で多くの新興国、途上国を襲ってきてる。トルコもきな臭いし、今年は大荒れの一年になりそうな悪寒…