SBI、新生銀の株式保有率47.77%に 連結子会社化へ TOB成立
毎日新聞
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注目のコメント
最後はあっけない結末でしたが、今回のM&Aの一部始終をケースにまとめて、担当する早稲田の大学院(MBA)の講義で教材として使ってみようと思います。ただ、SBIの連携子会社となった新生銀のストーリーは、これで結末でなく、むしろこれから。地銀再編劇の幕が切って落とされた、と考えるべきかも知れません。
ここからが見所だ。北尾社長は新生銀行が公的資金を返済できなかったことを、「泥棒」とまで言い切った。そして、「我々ならできる」とも力強く表明した。これは、現在の株価を数年で4倍弱の7500円以上に、上げてみせると言っていると同義である。もし、SBIが実際にそれを実現したらどうなるか?これは地域金融機関の経営者には脅威である。地域金融機関の株価は低迷している。PBRは解散価値を大きく下回る状態が恒常化している。しかし、これまでは、どの地銀株も総じて同じ状況だったので、株主も半ば諦めが強く、株主総会でも経営陣への強い要求は見られなかった。だが、SBIがこれから数年で新生銀行の株価を数倍に上げたら、株主は目を覚ますことになる。つまりは、現行の経営陣に問題があるという結論になるだろう。すなわち、株主にとっては地域金融機関がSBIの傘下に入ることを要求するようになる可能性がある。そのようなハレーションが、北尾社長が目指す「第4のメガバンク構想」、「新生銀行を地域金融機関の中核化」の実現可能性を高めるかもしれない。ここから数年の新生銀行の株価動向は、地域金融機関を大きく揺さぶることになりそうだ。