2021/12/13

老舗インク企業が、「藻」を育てる理由

NewsPicks 記者
直径10ミクロンほどの非常に小さな藻、「微細藻類(びさいそうるい)」に注目が集まっている。
微細藻類は、他の植物や昆虫、動物などと比べると少ない水で培養できる上、油やタンパク質などの栄養成分など、さまざまな成分を抽出することができる。
小さな藻に大きな期待が寄せられる背景には、タンパク質危機や水不足が懸念され、50年後には石油も採掘できなくなると言われる現状がある。
この微細藻類で、世界をリードしてきた意外な企業がある。DICだ。
DICと言えば、旧社名の「大日本インキ化学工業」からもうかがえるように、老舗のインク企業だ。印刷用インクなどの分野で世界トップのシェアを誇る。
そんなDICには、インク会社とは別の顔もある。実は、およそ半世紀前から微細藻類を人工培養している企業なのだ。
なぜ、DICが微細藻類事業に力を入れるのか。新事業統括本部の太郎田博之​​氏と田中一義​​氏にじっくりと聞いた。