【解剖】なぜいま「私服」の配送員が増えているのか?
- コロナ禍の「物流クライシス」
- アマゾンも宅配を「個人化」
- 「個人化」が進んだ背景
- 需給の「調整弁」として活用
- ギグワーカー問題は残ったまま
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極乱暴に言えば人の輸送すなわちタクシーで起きた事がモノの輸送すなわちトラック物流においても起きているという、けだし当たり前の事ではあります。
その理由背景は、テクノロジーの進展によるマッチングや配車効率の向上と、C向けB向け双方のECの競争激化による短納期化、オンデマンド経済の勃興です。
これまたリープフロッグ現象で東高西低、物流が半世紀以上かけて発展し近代化してきた先進国とは異なり、いきなり数年でオンデマンド経済が勃興したアジアのほうがトラック物流のオンデマンド化、ギグエコ化は進んでおり中国、インド、東南アジアでは多数のユニコーンがこの分野では出ています。
宅配の個人委託が増えています。自宅に荷物が届いて玄関を開けると、ヤマトでも佐川でもない誰かが持ってきてくれた、といった経験はないでしょうか。これまでにもよく話題に上がってきたフードデリバリーのみならず、ネットスーパーもコンビニも、メーカーやECの荷物も広く手がける、文字通りの配送委託が増えているのです。
個人委託するのは、アマゾンが国内展開しているアマゾンフレックスもあれば、荷主と個人を結ぶ配送マッチング企業も。ただ、どうしても避けて通れないのが、保障や待遇の問題です。法整備の他にも、個人の働き方、手数料や報酬額、多重下請け構造など論点はいくつもある中で、個人をつなぐプラットフォームが果たせる役割は多くあるはず。今回はこうした配送網が「個人化」する中での現状と問題についてです。
久しぶりに有料記事に対する厳しいコメントとなりますが、この手の記事では、運送業者を規制している運送業法(正式には貨物自動車運送事業法)に言及しないと、まったく本質が見えてきません。
そもそもの話として、こうした運送業を営むには、原則として運送業の許可が必要となります。だからこそ、運送業界では常に人手不足となり、その裏返しとして、サービスの品質が一定程度担保されているのです。
例外として、原付や自転車の場合は、運送業の許可が必要とされていません。だからこそ、Uber Eatsのビジネスモデルが成り立つのです。
記事中にある配送マッチング企業が、運送業者のマッチングなのか、運送業の許可を得ていない業者のマッチングなのかによって、ビジネスモデルはまるで違ってきます。
また、「個人ドライバーが増える理由」についても、運送業の許可が必要な場合(主に軽自動車による貨物自動車運送事業)と、運送業の許可が必要でない場合(原付・自転車)の場合とでは、明らかに理由は異なるはずです。
このような運送業法について、わずかにアマゾンフレックスの部分で「黒ナンバー」という記載がある程度です。
経済メディアを自称するのであれば、こういった背景について、もっと踏み込んで取材し、記事化するべきでしょう。
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