グラクソのコロナ治療薬、オミクロン株の全ての変異に有効
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学術論文プレプリント(未査読)のリンクに、オミクロン株での結果が加えられて掲載されています。
Cathcart A.L. et al. ,The dual function monoclonal antibodies VIR-7831 and VIR-7832 demonstrate potent in vitro and in vivo activity against SARS-CoV-2, bioRxiv, 2021.preprint: https://doi.org/10.1101/2021.03.09.434607
当初から、実験室内のデータからデルタ株、ラムダ株を含む懸念される変異株・注目すべき変異株への活性を示していることを示すデータ(未査読)を公表しており、12月1日にオミクロン株での突然変異にも有効との結果を付記していました(12月7日にはデータが追記されて再更新)。臨床で効果を示したものではありませんが、可能性を示しているとは言えます。
ソトロビマブは、英グラクソスミスクライン社が米ベンシャーVirバイオテクノロジー社の技術を用いて開発した新型コロナウイルス用ヒトモノクローナル抗体医薬品です。日本では2021年9月27日に特例承認されています。成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児に適応があり、ソトロビマブ(遺伝子組換え)として500mgを単回点滴静注することになっています。
当該論文中のオミクロンに該当する部分は次の通りです。
オミクロン株は、現在承認または承認されている新型コロナ抗体の一部を非アクティブにする可能性のある置換を含め、スパイク内で最大30部位の置換すると報告されています。
ソトロビマブは、オミクロンスパイクで見つかった個々の変異のサブセットをコードする利用可能な疑似型ウイルスの代表例に対してテストされました。試験管内の疑似型ウイルスデータは、ソトロビマブが、オミクロンスパイクに見られるG339D、K417N、N440K、S477N、T478K、Q493R、およびN501Y置換を含む、テストされたすべての個々のオミクロン置換に対して中和活性を保持することを示しています(注:各コードは変異部位名)。<中略>これらのデータは、ソトロビマブがオミクロン株に対する活性を保持している可能性が高いことを示唆しています。オミクロンに対して各方面から明るいニュースが多く喜ばしい。
が、日本企業の出遅れが益々鮮明になっているのは嘆かわしい。