オミクロン株 デルタ株などと別系統ウイルスに変異重なったか
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ちょうど南アフリカにおけるコロナ変異株の監視と予防の取り組みを報じた記事がNYTに掲載されました。
The Variant Hunters: Inside South Africa’s Effort to Stop New Mutations
https://www.nytimes.com/2021/12/04/health/covid-variant-south-africa-hiv.html
この記事の記者は乗客にオミクロン株感染が確認された件のアムステルダム着のフライトに乗り合わせています。この記事で報じている南アフリカの取り組みを取材した帰路だっただけに「皮肉だわ」と機内からツイートしていましたが、掲載された記事は現在の状況下において大変学びの多いものです。
記事中で「ハイテクと草の根の組み合わせ」と称せられる南アフリカの取り組みの背景には人口の13%を占めるHIV患者の存在があります。免疫システムが弱まっているHIV患者がCOVIDに感染するとそのウイルスは体内により長期間留まり、その間にウイルスが多くの変異を獲得する可能性があるそうです。
記事ではウイルスが体内から排除される216日間の間に32の変異を獲得したHIV患者の例が紹介されています。
同様の変異は移植患者や癌患者など治療で免疫抑制を受けている人でもおこる可能性はあります。しかしとりわけ南アフリカではHIV患者が多いため、彼ら彼女が適切なHIV治療を受けることがCOVIDウイルスの変異リスクの抑止には重要になります。
そのためHIV患者を直接訪問して適切な治療を受けることを手助けする地域のヘルスワーカーも大変重要な役割を担っています。記事ではコロナの流行下で治療薬が配送されなくなったため治療を止めてしまった女性の例が紹介されていますが、そうした一人一人をヘルスワーカーは粘り強く説得して治療を受けるよう促しています。
こうした変異株への取り組みと情報公開に対して南アフリカは他国から入国の締め出しという形で現在代償を支払わされています。未知の変異株の流行を抑制する緊急措置だとは頭で理解は出来ても、このような記事を読むと何かもっと上手く出来る方法は無いのかと辛い気持ちになるのも事実です。感染症科の専門、特にウイルス自体の専門家が、重症化が高く感染性が高いと分かった時点での報道して欲しい。変異の度に大騒ぎされたら旅行会社、飲食店はだけでなく社会への影響が大きすぎます。