2021/12/3

【衝撃】転売ヤーが進化しすぎて、ついていけそうにない

NewsPicks ジャーナリスト
お前らの気持ちなんてクソくらえ。欲しけりゃ10万円払いな──。
モノ不足に付け込んだ挑発的な行動が、世界のゲーム愛好家の神経を逆なでした。
以下のツイートは、昨年末に発売の最新ゲーム機種「プレイステーション5(PS5)」を買い占めた者が、積み上げた商品を公開したもの。量販店で完売続出のPS5を定価の2倍となる10万円前後で売りつけようとした。
このツイートに対し、世界のゲーム愛好家から批判が殺到。それでも、転売を止める手立てはなく、定価よりも高額で買うはめになった人もいるだろう。
日本でも、こうした高額転売で稼ぐ「転売ヤー(転売屋)」の存在がたびたびニュースになっている。フリーマーケット(フリマ)市場の拡大もあって、ゲーム機やマスクの高額転売が横行しているのだ。
本来フリマは、個人同士のモノ売買が円滑化していくはずのもの。しかし、それを悪用して稼ごうとする者が現れ、世に暗い影を落としている。
しかもこのような転売ヤーの買い占めは、もはや人間によるものではなくなっている。「ボット」と呼ばれる自動ソフトウェアが作られ、無人で大量の買い占めが行われているのだ。
実際、コロナ禍の2020年3月に発生したマスク不足でも、買い占めボットが陰の犯人だったことがわかっている。
特にアメリカでは、ウイルス並みに猛威を振るう買い占めボットが社会問題化し、小売やメーカーにとって重要な経営課題と認識されつつある。
そこで本日は、アメリカで起きているボット対策の最新トピックスを紹介。いずれ日本でも起こるであろうリテールの世界を先取りしよう。
INDEX
  • クリスマスの夢を盗む
  • ボットも手軽に「サブスク」
  • 「小売vsボット」、仁義なき戦い
  • 実は、ボット対策はチャンス
  • ボット・デューデリの時代
  • シュールな「ボットvsボット」
  • 日本もボットに狙われる

クリスマスの夢を盗む

去る11月29日、アメリカで民主党議員がある法案を議会に出した。その名も「Stopping Grinch Bots Act(グリンチボットを止めよ法)」。