子宮頸がんワクチンは男性にも必要、9~14歳での接種が最も有効か
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HPV(子宮頸がんワクチン)は男子にも接種をすすめている国が増えていて、男子も公費助成の対象となっている国もあります。
男性自身の病気の予防にもなりますし、将来のパートナーを守ることにもつながります。
男性も接種した方がよい理由はこちらで詳しく説明しています↓
https://voicy.jp/channel/2432/238497
なぜ日本では男性はまだ無料で接種できないかはこちら↓
https://voicy.jp/channel/2432/240462男性のワクチン接種の目的は男性本人のHPV感染による病気の予防にもありますが、自分を感染源になりにくくさせ、パートナーを子宮頸がんなどのHPV感染症から守ることにあります。公衆衛生上必要と考えた場合には、男性への接種は必要だと思います。それはわかるのですが、男性のHPVワクチンの接種率が100%近くにならなければ「未接種の女性が感染しやすい状態」は防げません。
しかしこの問題については「男女間の社会的公平性を議論する問題」ではないことを念頭に置いた上で考える必要があると思っています。つまり、女性に対して「ベネフィット>リスクであれば接種を積極的にすすめる」(これはすでに議論の余地がないように思います)、同様に男性に対しても(国家が拠出する費用面も含めて)「ベネフィット>リスクであればすすめる」必要があると思います。
ワクチンの接種は「確率で判断すると」本人にとってメリットがあることから認可され、各国が個別に必要と判断すれば国が費用負担して「接種推奨」しています。男性に対しての海外での動向は、「定期接種」の国もありますが、「任意接種」の国もあります。日本では、女性に対しては近日中に「『積極的接種勧奨』定期接種(国家負担)」に戻す決定がなされましたが、おそらく男性に対してはしばらくは「任意接種(個人負担)」のままでしょう。少し前まではベネフィットが小さいと考えられていたことから男性への接種自体も認められていませんでした。今後研究の進歩により変わっていく可能性はあります。
接種により副反応が出ることは防ぎようがありません。HPVワクチンの場合、アナフィラキシー(約100万接種に1回)、ギラン・バレー症候群(約430万接種に1回)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(約430万接種に1回)などの重い症状が報告されています。
ワクチンの接種が「国家の公衆衛生政策への協力(義務的)」という考え方が日本で根付いているような印象は受けません。重大な過失がない限り、副反応は国、自治体、医師、製薬企業などの責任ではないことを接種する側が理解する必要があると思います。このような公衆衛生教育も重要だと思います。この議論は「個人の自由を取るのか全体最適を取るのかを論じるもの」ですが、個人重視の国民性の国では十分な説明や教育を伴わないと理解されにくいのも事実です。