中国が密かに警戒する岸田文雄首相の台湾政策
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林外相が王毅外相の要請を受けて訪中すれば、日本国内では「中国寄り」との批判を受けるでしょう。林外相は現段階では具体的な時期は検討されていないとも述べています。一方で、来年の日中国交正常化50周年には、民間人の交流を後押しするとしていて、中国との関係改善を図ろうとしているかのように見えます。
しかし、現状では、林外相の態度はバランスの取れたものだと言えます。日中国交正常化50周年に交流を深めると言われれば、中国はその前に日本との関係悪化を避けるため、林外相が直ちに訪中しなくとも、日本に対する批判を抑えるでしょう。
また、林外相が述べた「交流」は民間が主で、必ずしも政府の交流あるいは対話を進めると言った訳ではありません。岸田政権は、現段階では曖昧さを残し、米中関係の趨勢や日本国内の政治などを見ながら、どのような対中政策をとるべきかを検討していくものと考えられます。中国と交流すること自体がまかりならんという雰囲気には同意できません。
林さんが日中議連の会長というだけで国賊のように論じる一部メディアもいかがなものかと思います。
1971年7月15日にニクソン大統領が突然中国訪問を発表して日本に激震が走りました。日本側には事前の相談は全くなく、通知されたのは発表のわずか数十分前でした。裏で動いていたのはキッシンジャーと周恩来です。
当時の佐藤内閣は情報収集能力の欠如を問われ、退陣の一因となりました。
翌年2月にはニクソンが訪中し米中共同宣言が出され、同年9月に日本も田中内閣が日中国交正常化を実現します。
その際に日米ともに中国との間で確認されたのが「中国は一つであり、台湾は中国の一部であるとの中国の主張を認識した」ということです。
生き馬の目を抜く国際政治の世界では何が起こるか分かりません。外交ルートを確保することにもネガティブな感情論には賛成しかねます。