経営学は経営の役に立つのか 第3回
コメント
注目のコメント
3回にわたりお読みいただきありがとうございました。批判も含めて、多くのコメントをいただき、とても参考になりました。とくに印象的なコメントに以下に返答いたします。
占部さん:ご指摘の通りで、自分で経営してないにせよ「いかにそのリアリティを実感」するかがカギだと思っています。そのためには経営の現場にいる人との対話を基本動作として大切にしています。
小原さん、Andoさん:その通りでして、戦略論はあくまでも経営学の一分野です。僕がやっている競争戦略は、私見ではとりわけ「アート>サイエンス」だと思います。ファイナンス(経済学の応用)やHR(心理学の応用)では、いわゆる「理論」がより有効だと思います。
友部さん:今回の連載に対する批判から学んだこととして、ご指摘の点が僕にとっていちばん有用な気づきでした。これまで書いてきたメディアは、書籍や雑誌や新聞、ネットでもビジネス雑誌のオンライン版のようなPCで閲覧するものが多く、圧倒的にスマホで読まれるメディアに寄稿したのはNewsPicksが初めてでした。同じ人間の同じ考えを書いていても、本や雑誌やPCとはわりと異なる反応が多く、そこに興味を持ちました。もちろん読者の志向や嗜好や向き不向きもあると思うのですが、スマホ経由であることの影響が強いという印象です。ハードの違い(画面が小さいなど)よりも、読む状況の違いが(通勤電車の中とかちょっと時間が空いたときに読む)大きいと思います。僕の書いたものの内容やスタイルからして、スマホはフィットが悪い気がします。これからは気をつけます。
山田さん、菊池さん:「下敷き」「カノンコード」、うまい比喩ですね。そういうものだと僕も思います。
Shinodaさん:広い意味での経営学者でノーベル賞を取った例として、「制限された合理性」の概念で組織の意思決定を説明したハーバート・サイモンの例があります。
t-saitomoさん:ずっと変わらない論理があるということです。たとえば井原西鶴の『日本永代蔵』の事例研究(?)をみると、江戸時代初期でもいまに通用する商売の原理原則は多くあります。
Kudoさん:僕もそう思います。ただ経営者(と元経営者)はそういう仕事をする時間や関心がないのが普通です。ポイント(3回分のまとめ)
・成功 = 20%の理屈 + 80%の気合
(逆に、だからこそ20%の理屈が重要)
・その重要な20%を支えるのが戦略的論理
(100%全てを保証する完全な法則などない)
・戦略的論理とは:
ー けもの道を行く実業家に新たな
「視座・視野」を提供すべく
ー 成功者の多種多様な手法を「汎用化」した
ー 時代を超えて「普遍的」な体系を指す
個人的所感(再掲)
・経営学の論理は、「地雷センサー」と
「きびだんご」としては機能するだろう
ー パターン認識で即死リスクを遠ざけ、
ー 仲間を勇気づけ近づける共通のエサになる
・それが私の思う主な20%分3C、4P、5force、SWOTなどなど、いろんなフレームワークが一般化しているが、これを知っても戦略は出てこないが、考え漏れを防ぐためには有用、というのが一つ目の話。
二つ目は我々の言葉で言えば、what kind
of business の視点で、一企業固有の話でなく、事業特性などで括ってみた際に、何が抽象化・理論化できるかを考えて他に活かすってこと
従ってその材料はリアルの生々しいビジネスであって、学問としてはいかにそのリアリティを実感して(必ずしも経験なくてもよいとは思う)考えられるかってことだと思う