2021/11/27

【感染症】桁違いに強力な「細菌毒素」の不思議

サイエンスライター
新型コロナウイルス感染症のパンデミックをきっかけに、ウイルスによって起こる感染症の研究の重要性がクローズアップされた。
だが、感染症の原因となるのはウイルスだけではない。ジフテリア菌やO-157、黄色ブドウ球菌といった細菌も、毒素を出すことで病気を引き起こす。
今夏、中国で炭疽(たんそ)菌の感染者が確認され、死者も出た。日本でも百日咳(ひゃくにちぜき)の患者が増加し、様々な細菌毒素による集団食中毒もたびたび発生している。
細菌毒素のリスクは、私たちの身の回りに確実に存在するのだ。
その「圧倒的な毒力」に興味を抱いて研究を始めたという大阪大学微生物病研究所の堀口安彦教授が、奥深い細菌毒素研究の魅力と現状を語る。
INDEX
  • 毒の強さは桁違い
  • 巡航ミサイルのように標的に到達
  • 時間と空間を超えて被害をもたらす
  • 「百日咳脳症」の原因に近づく
  • ワクチン普及で研究に陰りも
  • 私が細菌毒素を「好き」な理由