米の薬物中毒死、初めて年間10万人超える コロナ禍で悪化
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米国での薬物中毒による死亡者数は、ここ15年で4倍に増加したと報告されており、その過半数の原因を担うのがオピオイドです。必ずしもパンデミックをきっかけに増加したというわけではなく、パンデミック以前から増加の一途を辿ってきました。
また、オピオイドによる死亡者の世界的な広がりから、新型コロナ以前からオピオイド「パンデミック」という表現も存在しました。
各国での問題の深刻さは、闇商売、ビジネスにどこまでオピオイドが入り込んでいるか、オピオイドの医療現場での使われ方、人種による痛みの感じ方の違いなど、様々な要因により違いがありますので、一概に比較はできません。しかし、米国はその中でも最も悪い状況の国の一つであることは間違いないでしょう。
このオピオイドパンデミックは原因が多岐にわたるため、単一の原因である新型コロナウイルスパンデミックとは異なり、解決はさらに難しい問題です。
注目のコメント
米薬物中毒死の大きな部分を占めている鎮痛薬・オピオイドの利用が広がった一つのきっかけは、95年に米製薬企業パデュー社が自社の製品に「依存は起きにくい」と偏った情報を流したことにあるとされます
薬やサプリメントに関わる広告は、何十万人の人命に関わる可能性を秘めています。だからこそ強く規制されているという一面は忘れてはいけませんねケシからつくられるアヘンがopium、ケシからつくられる麻薬類、つまり、アヘン、モルヒネ、ヘロイン、フェンタニル、メサドンなどの総称がオピオイドです。
麻薬採取用ケシの7割がアフガニスタン、1割がミャンマーで生産されています。アフガニスタンを原産地として、ロシアやトルコ、ケニアなどを経由地とするオピオイド麻薬の流通ルートは太くなり、広がり続けています。
アフガニスタンの紛争も、オピオイド麻薬の流通を抜きにしては、本当のところは理解できないです。オピオイド麻薬の生産・流通が世界で大幅に減ったのは、米軍がアフガニスタンに侵攻した2001年であるといえます。しかし、その後は増え続けました。
オピオイド麻薬を流通させるルートを握るいくつかの組織は強くなり続けていて、世界の経済に影響力を持つようになりました。中規模の国家などより、強力といえるでしょう。
1970年代から、米国では中南米でコカの葉から生産される麻薬の流入が深刻な課題となりました。中南米の麻薬組織対策が国家的重要課題となり、掃討作戦が繰り返されてきました。しかし、何人かの大物やいくつかの組織が掃討されたとはいえ、中南米からの麻薬流通ルートも弱体化したとはいいがたいです。
それに加えて、オピオイド麻薬に流通ルートは太く、広範囲に浸透していくばかりで、こちらは全く減らすことができていません。
米国の場合は、医療制度に深刻な欠陥があって、病気になってもまともな医療を受けられずにオピオイド麻薬で痛みをまぎらわす、という対処が、米国であまりにも一般化している、というのもあります。
麻薬問題は、間違いなく21世紀の最大の問題の1つで、麻薬組織はグローバル企業や世界宗教のような力を持つようになるでしょう。