「尿中マイクロRNA」がん早期発見、Craifがサービス開始へ
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尿検査は非侵襲的という利点があります。
ただこれは、ハイリスク・ローリスクという判定になるということで、ローリスクなら絶対大丈夫なわけではないですし、ハイリスクは精密検査が必要になり、そのハイリスクの閾値が低いと結局あまりスクリーニングの意義がなくなってしまうという可能性もあり、精度など今後も注目したいと思います。科学技術を否定するわけではありませんが、「医療機関で実施」と書かれていても政府に医薬品として認可されていないキットである点が気になります。
精度が高い場合は許認可が与えられますし、企業も広く保険で使用されることを求めて認可申請することが普通です。それがないということは(企業ベースでの製品データが公表されていますが)現時点で信頼性が保証されていないことを意味します。そうなると怖いのは、健康上問題があるのに「この検査を実施しているから」として見逃されるケースです。これとは別に正規の(認可された)検査を省略できるものにはなりません。
今後「この方法が信頼性が高く、汎用的に使える」となれば利用価値は高くなります。絶対条件として検査薬としての許認可を受けることと、保険適応を受けるレベルが求められます。現時点ではそうではない点に注意する必要があります。
価格は「数万円」の見通しだそうです。その価値があるか否かは消費者が決めることですので、ここでは触れないことにします。同じようにディープテックのスタートアップであるHIROTSUバイオサイエンスも尿を使ったがんの早期発見サービスを開始しています。両者に共通しているのは①これまでよりも安価で手軽に検査できる②従来以上に早期に兆候を発見できるという2点です。これまでよりも早期にがんを発見すれば治療の選択肢が広がり、医療費の抑制にもつながります。
今後は消費者にどこまでアプローチできるかがカギを握るでしょう。HIROTSUは生保と業務資本提携しています。Craigの株主にはアフラックと東京海上日動火災保険が。記事によるとCraifは医療機関を通じて販売するということですが健康診断などに組み込むなどタッチポイントをどう作っていくかに注目しています。