2021/11/16

【槇原純】なぜ私はSBIの買収に「反対した」のか?

NewsPicks 金融ジャーナリスト
決戦の日が、あと10日に迫っている。
11月25日、新生銀行の臨時株主総会が予定され、ネット証券大手のSBIホールディングスとの戦いに決着がつく。
事の発端は9月9日、SBIホールディングスが新生銀行へのTOB(株式公開買い付け)を発表したことだ。
一方、新生銀行はSBIの提案に対して、株主への公平性の面で問題があるとして「条件付きでの反対」を表明した。その後、新生銀行とSBIの間で、株主利益を巡って激しい舌戦が繰り広げられてきた。
経営権争いの勝敗は、新生銀行が臨時株主総会で可決を目指す「買収防衛策」の行方次第となっている。可決されれば、SBIは新生銀行の買収が事実上、できなくなるからだ。
ただし、買収防衛策に対しては、「経営陣の保身目的で使われる」「高値で株式を売却する機会を奪う」といった問題が指摘されることが少なくない。
なぜ新生銀行の取締役会はSBIのTOBに反対し、買収防衛策の発動を準備しているのか。
NewsPicksは新生銀行の独立社外取締役を務める元ゴールドマン・サックスのパートナーの槇原純氏を直撃した。
新生銀行がSBIのTOBに対する賛否や買収防衛策の導入を検討する独立社外取締役協議会のメンバーだ。
今回の一件について、キーマンのひとりである槇原氏はどう答えるのか。
INDEX
  • 「争いの経緯」をおさらい
  • それでも2000円は「安すぎる」
  • 「買収防衛策」導入のワケ
  • 「利益相反」はないのか?
  • 旧村上系も参戦

「争いの経緯」をおさらい