2021/11/12

【未来予測】インターネット、SNSの「次」に来るもの

NewsPicks編集部 記者
これからの20年は、フィルタリング・テクノロジーがチャンスになる──。
2016年、『〈インターネット〉の次に来るもの』(原題:THE INEVITABLE)の中で、著者のWIRED創刊編集長ケヴィン・ケリーはこう予言していた。
その予言通り、グーグルやフェイスブックといったインターネット・プラットフォームは、私たちが「見たいであろう世界」を映し出すことで、大成功を収めてきた。
ところが今、そうしたフィルターへの信頼が揺らぎ、世界中で批判の大合唱が起きていることは、本特集で紹介してきた通りだ。フェイスブックに至っては、ついにフラッグシップフィルターの名を、社名から消すに至っている
ケリーは今、この現状をどう眺めているだろう。取材を進めながらこの本のことを思い出し、早速ケリーに連絡を取ってみた。
「OK、いいテーマだね」
最終回の本日は、インターネット黎明期からテクノロジーの発展を見届けてきたケリーに、SNSが変えた世界を考察してもらおう。SNSの「次」を見据えるヒントと共に。
INDEX
  • SNSがデジタル化したもの
  • もっと気軽に「選びたい」
  • 会員登録、面倒ですよね
  • マクドナルドに野菜を期待する?
  • 有料版ツイッターが欲しい
  • 分断? FOXの方がよっぽど
  • アルゴリズムはよく分からない
  • 「匿名」がよくなかった
  • 「ミラーワールド」がやってくる

SNSがデジタル化したもの

──フェイスブックが社名変更を行いましたね。SNSの時代が、一つの区切りを迎えようとしているんでしょうか。
そうだと思いますよ。
ここ数十年のフェーズは、「何がデジタル化されてきたか」という視点で時代を切り分けると、分かりやすい。
まず、第一フェーズのインターネットは、「情報」をデジタル化しました。百科事典だったり、飛行機のフライトスケジュールもそう。あらゆる情報が検索可能になったわけです。
第二フェーズが、フェイスブックやツイッターをはじめとする、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)です。これがデジタル化したのは、われわれの「人間関係」や「行動」でした。
友達とレストランに行って食事をし、新しい人を紹介されて、知り合いになる。SNSは、こうしたオフラインのソーシャルネットワークを検索可能にしたんですよね。
そして私たちは今、次なる第三フェーズへと突入しようとしています。メタバースが話題になっているのは、ヒントの一つでしょうね。

もっと気軽に「選びたい」

──SNSって結局、何がすごかったんでしょう。