2021/11/5

【名言】世界のキーパーソンと「5つの言葉」

NewsPicks編集部 インターン
ジョブズゲイツにベゾス、イーロン・マスク…。
例えば、世界のテクノロジーを変えた起業家たちの名前を挙げろと言われたら、誰もが上のような名前を思いつくだろう。
しかし、気候変動のリーダーは?と言われたらそうはいかない。
特集でも見てきたように、今後2、30年にわたって、世界のビジネスに大きな影響を与える一大テーマにもかかわらず、気候対策の大きな流れを作っている人物たちは、驚くほど日本では知られていない。
そこで、この記事では、気候変動をめぐって、世界の経済や産業、政治を動かす「5人のキーパーソン」を紹介したい。そして、彼らが紡ぎ出す「言葉」を聞けば、新しい世界への道筋がよりくっきりと理解できるはずだ。
INDEX
  • ①「イノベーション」で気候を直す
  • ②金融業界の「スーパースター」
  • ③日本の運命を決める、EUトップ
  • ④日本発、ESGの立役者
  • ⑤「気候正義」の実現を

①「イノベーション」で気候を直す

  • Bill Gates(ビル・ゲイツ)
言わずと知れたマイクロソフト創業者であり、テクノロジー界のレジェンド。
2000年に世界最大のゲイツ財団(運用額5.5兆円)を設立してからは、慈善活動家・投資家としての取り組みで知られるようになり、気候変動の世界でも「権威」として認識されるようになった。
だが、ゲイツは「20年前は、自分が気候変動について人前で話すことになるとは思っていなかった」と話す。
転機は、2006年のこと。
財団の活動で貧困国を訪れる中で、安価なエネルギーの必要性を痛感していたが、同時に気候科学者との対話の中で、人類が温室効果ガスを排出している限り気温が上がり続ける、ということを本当に理解したのだという。
「貧困者に安いエネルギーを安定して提供するだけでは足りない。そのエネルギーはクリーンでなければならないのだ」(著書『地球の未来のため僕が決断したこと 気候大災害は防げる』より)
これを機に、ゲイツは気候問題にのめり込んでいくことになる。
彼の唱える気候対策の道筋はシンプルだ。